2008年高知医科大学医学部卒業。初期研修後都内の大学病院麻酔科入局。
その後、整形外科へ転科。2015年から医療×ITのスタートアップに参画し医療監修を務める。医療×IT分野の執筆多数。 医療×ITを美容医療に導入するべくANS.の立ち上げに参画。
- ターンオーバーって、どうすれば促進できるの?
- 正常な周期は?年齢で変わるって本当?
- ターンオーバーを整えれば、肌質は改善される?
この記事を読んでいるあなたは今、上記のように考えているかもしれません。
ターンオーバーは「とにかく早めればいい」と思われがちですが、実は速すぎても遅すぎても肌トラブルのもと。大切なのは、乱れたサイクルを「正常な周期に整える」ことです。
そこでこの記事では、ターンオーバーの正常な周期から、乱れているサイン、NG習慣、悩み別のケア方法までを詳しく解説します。くすみ・シミ・ニキビなどの肌悩みを根本から見直したい人は、ぜひ参考にしてください。
そもそも肌のターンオーバーとは?
肌のターンオーバーとは、皮膚の細胞が一定の周期で新しく生まれ変わる仕組みのことです。古い細胞が押し上げられて剥がれ落ち、新しい肌へと入れ替わっていきます。
このサイクルが正常に働くことで、健やかな肌が保たれます。まずは仕組みと正常な周期を確認しておきましょう。
ターンオーバーの仕組み
肌は外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層で構成されており、ターンオーバーが起こるのは一番外側の表皮です。
表皮の一番奥にある基底層で新しい細胞が生まれ、形を変えながら少しずつ表面へと押し上げられていきます。最終的に角質となって肌表面に達し、垢やフケとして自然に剥がれ落ちます。この一連の流れがターンオーバーです。
生まれたての細胞が角質となって剥がれ落ちるまでのサイクルが整っていると、メラニンや古い角質がため込まれにくくなり、くすみのない肌が保たれます。
正常な周期は約28日って本当?
ターンオーバーの周期は「28日」とよく言われますが、これはあくまで目安のひとつです。
実際の周期は年齢や部位によって異なり、一般的には28〜56日程度といわれています。20代前後では約28日が目安とされますが、年齢を重ねるごとに周期は長くなる傾向があります。
ここで誤解しやすいのが、「周期は短いほどいい」という考え方です。周期が早すぎると、十分に成熟していない未熟な細胞が表面に出てきてしまい、かえってバリア機能の低い乾燥しやすい肌になってしまいます。速ければ良いわけではなく、その人にとって正常な周期に整えることが大切です。
ターンオーバーの周期は年齢や性別で差が出る
ターンオーバーの周期は一定ではなく、年齢や生活背景によって変化します。「促進したい」と感じる背景には、加齢による周期の変化が関係していることも少なくありません。
加齢で周期は遅くなる
ターンオーバーの周期は、年齢とともに長くなっていくのが一般的です。
目安として、20代で約28日だった周期が、30代・40代と年齢を重ねるごとに少しずつ延びていくと考えられています。年齢を重ねると周期が遅くなるのは、細胞の生まれ変わる力や肌の代謝が緩やかになっていくためです。
周期が長くなると、古い角質やメラニンが肌表面にとどまりやすくなり、くすみ・シミ・ごわつきといった肌悩みにつながりやすくなります。年齢を感じる肌変化の多くに、このターンオーバーの遅れが関係しているといえるでしょう。
性別による違いはある?
性別そのものでターンオーバーの周期が大きく変わるという明確な基準はありません。ただし、ホルモンバランスや皮脂量の違いが、肌の状態に影響することは知られています。
男性は女性に比べて皮脂の分泌量が多い傾向があり、毛穴の詰まりやテカリが起こりやすいとされます。一方で女性は、月経周期や妊娠などによってホルモンバランスが変動しやすく、その影響で肌の調子が揺らぎやすい時期があります。
性別による差というより、ホルモンや皮脂の状態が肌に与える影響を理解しておくことが、自分に合ったケアを選ぶうえで役立ちます。
ターンオーバーが乱れているサイン
ターンオーバーの乱れは、肌の表面にさまざまなサインとなってあらわれます。日頃から肌の状態をチェックしておくと、早めの対策につなげられます。
セルフチェックリスト
以下の項目に当てはまるものが多いほど、ターンオーバーが乱れている可能性があります。
- 肌がくすんで、顔色が暗く見える
- 触るとごわつき・ざらつきを感じる
- ニキビや吹き出物ができやすくなった
- シミや雀卵斑(そばかす)が目立ってきた
- 乾燥しやすく、小じわが気になる
- 化粧水がなじみにくい・化粧ノリが悪い
- 肌のハリ・ツヤが感じられない
これらは、古い角質が剥がれ落ちずに蓄積したり、メラニンが排出されにくくなったりすることで起こりやすいサインです。複数当てはまる場合は、後述するNG習慣やケア方法を見直してみましょう。
ターンオーバーが乱れる原因
ターンオーバーが乱れる原因は、ひとつではありません。肌の外側から受ける刺激と、体の内側の状態の両面から影響を受けます。主な原因を外的要因・内的要因に分けて見ていきましょう。
乾燥・紫外線などの外的要因
紫外線や乾燥、摩擦などの外的刺激は、ターンオーバーを乱す代表的な原因です。
肌がこうしたダメージを受けると、肌内部を守ろうとしてターンオーバーが急いで進み、十分に成熟していない未熟な角質細胞ができてしまいます。その結果、水分を保ちにくい乾燥した肌になり、バリア機能も低下しやすくなります。
また、肌を守ろうとして角質が厚くなることで、くすみやごわつきにつながることもあります。エアコンによる乾燥や、日焼け止めを塗らない習慣にも注意が必要です。
睡眠・食事・ストレスなどの内的要因
体の内側の状態も、ターンオーバーに大きく関わります。
ターンオーバーを促す成長ホルモンは、主に睡眠中に分泌されます。睡眠不足が続くと分泌が妨げられ、周期が乱れやすくなります。また、肌の材料となるタンパク質や、その働きを助けるビタミン・ミネラルが不足すると、新しい細胞をつくる力も低下します。
さらに、ストレスは自律神経やホルモンバランスを乱す要因となり、肌の代謝にも影響します。喫煙や過度な飲酒も血行や代謝を妨げるため、ターンオーバーの乱れにつながると考えられます。
ターンオーバーを乱すNG習慣・行動・スキンケア7選
良かれと思っている習慣が、かえってターンオーバーを乱しているケースもあります。心当たりがないかチェックしてみましょう。
| NG習慣 | なぜ乱れるのか |
|---|---|
| ゴシゴシと強くこする洗顔 | 摩擦が刺激となり、必要な角質まで傷つけてしまいます |
| 頻繁すぎるピーリング・スクラブ | やりすぎは未熟な角質を表面に出し、バリア機能を低下させます |
| クレンジング不足・メイクの落とし残し | 古い角質や汚れが毛穴に詰まる原因になります |
| 保湿を怠る | 乾燥はターンオーバーを早め、未熟な角質をつくります |
| 日焼け止めを塗らない | 紫外線ダメージは周期の乱れに直結します |
| 睡眠不足・不規則な生活 | 成長ホルモンの分泌が滞ります |
| 栄養の偏った食事 | 肌をつくる材料が不足し、代謝が低下します |
ひとつずつでも見直すことで、肌が本来のリズムを取り戻しやすくなります。
ターンオーバーを促進・正常化する方法
ここからは、乱れたターンオーバーを整えるための具体的な方法を紹介します。「促進」といっても、無理に早めるのではなく、正常なリズムに近づけることを意識しましょう。
スキンケアで整える
基本は「やさしく洗って、しっかり保湿する」ことです。
洗顔料はよく泡立て、泡でなでるように洗い、ぬるま湯で流します。洗顔後は化粧水で水分を与え、乳液やクリームで油分のフタをして乾燥を防ぎましょう。摩擦を避け、肌に負担をかけないことが、健やかなターンオーバーをサポートします。
生活習慣で整える
睡眠は、ターンオーバーを整えるうえで欠かせません。成長ホルモンが分泌される睡眠の質を高めるため、就寝前のスマホを控えるなど、しっかり休める環境を整えましょう。
また、適度な運動で血行を促すことも、肌に必要な栄養を届けるうえで役立ちます。ストレスをためこまない工夫も大切です。
食事・栄養で整える
肌の材料となる栄養をバランスよく摂ることも、ターンオーバーの正常化につながります。
特に意識したいのは、肌をつくるタンパク質、皮膚や粘膜の代謝を助けるビタミンB群、抗酸化作用が期待できるビタミンC・E、細胞の生まれ変わりに関わる亜鉛です。肉・魚・卵・大豆製品・緑黄色野菜などを組み合わせて摂りましょう。
ターンオーバーが整うと美肌になれる?肌質は改善する?
ターンオーバーが整うと、古い角質やメラニンが過剰にため込まれにくくなり、くすみ・ごわつき・乾燥といった悩みが起こりにくい肌状態に近づくことが期待できます。
ただし、注意したいのは「ターンオーバーを整えれば、生まれ持った肌質そのものが別物に変わる」わけではないという点です。乾燥肌・脂性肌といった肌質には体質も関わるため、ターンオーバーを整えることはあくまで肌のコンディションを良い状態に保つための土台づくりと捉えるのが現実的です。
土台が整えば、スキンケアの効果も実感しやすくなります。今ある肌悩みに合わせたケアを重ねていくことが、美肌への近道といえるでしょう。
悩み別|ターンオーバー促進方法とおすすめケア
ひとくちに「ターンオーバーを整えたい」といっても、気になる悩みによって重視すべきポイントは異なります。代表的な3つの悩み別に見ていきましょう。
シミ・くすみが気になる人
シミやくすみは、ターンオーバーの乱れによってメラニンが排出されず、肌表面に残ってしまうことが一因です。
まずは紫外線対策を徹底し、新たなメラニンの生成を抑えることが基本です。そのうえで、メラニンの排出を意識したケアを取り入れましょう。
ただし、すでにできてしまったシミは、ターンオーバーを整えるセルフケアだけで薄くするのが難しいケースも少なくありません。シミは種類によって適した対処が異なり、合わない方法ではかえって悪化することもあります。気になるシミがある場合は、メラニンの生成を抑える成分などを含む処方薬でのケアも選択肢となるため、自己判断で続ける前に専門家へ相談するのがおすすめです。
(内部リンク:シミの種類/シミに効く有効成分)
ニキビ・ニキビ痕が気になる人
ターンオーバーが乱れると、毛穴まわりの角質が厚くなって毛穴が詰まりやすくなり、ニキビの原因になります。また、ニキビの炎症が落ち着いた後の色素沈着も、ターンオーバーの乱れで残りやすくなります。
過剰な皮脂や古い角質をため込まないよう、やさしい洗顔と保湿でバリア機能を保つことが大切です。繰り返すニキビや、なかなか消えないニキビ痕には、セルフケアだけでなく医薬品によるアプローチが有効な場合もあります。
(内部リンク:ニキビ痕に効く薬/繰り返すニキビの対処)
毛穴の開き・ざらつきが気になる人
毛穴の開きやざらつきは、剥がれ落ちずに残った古い角質や角栓が原因のひとつです。
ここでも、こすりすぎや過剰なケアは逆効果。やさしい洗顔で汚れを落としつつ、しっかり保湿してキメを整えることがポイントです。詰まった毛穴のケアについては、専用の対策を知っておくと役立ちます。
(内部リンク:毛穴の詰まり・黒ずみケア)
ターンオーバーの乱れによる肌悩みは医療機関への相談もおすすめ
セルフケアでターンオーバーを整えることは大切ですが、すでにあらわれているシミ・ニキビ・ニキビ痕などの悩みは、スキンケアだけで解消するのが難しいこともあります。
そうした場合、医療機関で処方される医薬品によるケアという選択肢があります。医薬品には、メラニンの生成を抑える成分や、皮膚の代謝をサポートする成分など、肌悩みに応じて医師が選べる選択肢があり、自分の肌状態に合わせたアプローチが期待できます。
「市販のスキンケアを続けても変化を感じにくい」「肌悩みを根本から見直したい」という人は、一度専門家に相談してみるのもおすすめです。
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ターンオーバーの乱れによる肌悩みは、短期間で解決できるものばかりではありません。根気強くケアを続けることが大切です。
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