アゼライン酸
(効果・副作用・使い方)
アゼライン酸とは
アゼライン酸は、もともと穀物(小麦・大麦・ライ麦など)にも含まれる天然由来の成分(ジカルボン酸の一種)で、皮膚に対して複数の働きを持つことが知られています。海外では、ニキビや酒さ(赤ら顔)の治療薬として広く用いられていますが、国内では医薬品としては承認されておらず、化粧品や医療機関で扱う製剤(院内製剤等)として用いられています。
アゼライン酸の特徴は、ひとつの成分でニキビ・色素沈着・赤みという複数の肌悩みにアプローチできる点です。アクネ菌を抑え毛穴の詰まりを整えるニキビへの働きと、メラニンの生成を抑える色素沈着への働き、そして炎症をやわらげる赤みへの働きをあわせ持ちます。また、刺激が比較的穏やかとされ、他の外用薬で刺激が強く出てしまう方の選択肢になることもあります。
ニキビ・肌悩みへの効果
アゼライン酸は、複数の作用によって、ニキビとその関連症状に幅広くアプローチします。
ニキビへの効果
アゼライン酸には、ニキビの炎症に関わるアクネ菌を抑える働きと、毛穴の出口の角質を整えて毛穴の詰まりをやわらげる働きがあるとされています。これにより、炎症したニキビ(赤ニキビ)と、初期のニキビ(白ニキビ・黒ニキビ)の両方にアプローチします。
ニキビ痕の色素沈着への効果
アゼライン酸には、メラニンを作る過程に関わる酵素の働きを抑える作用があるとされ、ニキビ痕として残る色素沈着(茶色い痕)へのアプローチも期待されます。ニキビそのものと、その後に残る色素沈着の両方をケアできる点は、この成分の大きな特徴です。
赤み(赤ら顔)への効果
アゼライン酸には炎症をやわらげる働きもあるとされ、海外では酒さ(赤ら顔)の治療にも用いられています。ニキビに伴う赤みや、赤みが気になる肌のケアにも用いられることがあります。
効果が出る仕組み(作用機序)
アゼライン酸は、複数の作用を通じて肌にアプローチします。
ひとつは、抗菌作用です。ニキビの炎症に関わるアクネ菌の増殖を抑えることで、炎症をしずめる方向に働きます。ふたつめは、角化を整える作用です。毛穴の出口の角質が過剰になるのを抑え、毛穴の詰まりをやわらげます。みっつめは、メラニンの生成を抑える作用です。メラニンを作る酵素(チロシナーゼ)の働きに関与し、過剰な色素沈着を抑える方向に働くとされています。さらに、炎症をやわらげる抗炎症作用もあわせ持ちます。
これら複数の作用を1つの成分で持つことが、アゼライン酸がニキビ・色素沈着・赤みという異なる肌悩みに用いられる理由です。なお、これらの作用は比較的穏やかに働くとされ、そのぶん刺激が出にくい一方で、効果の実感には一定の継続が必要とされます。
効果が出るまでの期間・経過
アゼライン酸は、比較的穏やかに働くため、効果の実感には継続が必要とされます。あらわれ方には個人差が大きいため、下記はあくまで目安です。
ターンオーバー周期の目安:20代:約28日 / 30代:約40日 / 40代:約55日 / 50代:約75日
| 時期の目安 | 経過の目安 |
|---|---|
| ターンオーバー 1回目(使い始め〜) | 肌への慣らし期間です。比較的刺激は穏やかとされますが、人により一時的にピリつき等が出ることがあります。 |
| ターンオーバー 2〜3回目 | ニキビや赤みの落ち着き、色素沈着の変化を実感し始める方が多いとされる時期です。 |
| ターンオーバー 3回目以降〜(維持・ケア期) | 赤みや色素沈着のケア、再発予防を目的に、医師の指導のもとで継続して用いられることがあります。 |
穏やかに働くぶん、短期間での劇的な変化を狙うより、継続することに意味がある成分です。使い方は医師に相談しながら進めることが望まれます。
使い方・塗り方と、他のお薬との併用注意
アゼライン酸(AZスキンクリーム20%)は、1日2回、朝晩の洗顔後に化粧水等でお肌を整えたあと、気になる部分やその周辺へ塗布します。具体的な使用量・回数・塗り広げる範囲は、お肌の状態に応じて医師の指示に従ってください。
ニキビへの使用では、目に見えるニキビだけでなく、ニキビができやすいエリア全体に塗り広げることがあります。色素沈着や赤みへは、気になる部分へピンポイントに塗布します。使い始めにピリつきや乾燥が出ることがあるため、しっかりと保湿を行った上で使用することが大切です。
同一部位への併用NGルール
お肌への刺激が重なるのを防ぐため、以下の成分とは同じ場所(同一部位)に重ねて塗ることはできません。
角質ケア・レチノイド系:レチノール、トレチノイン、アダパレン(ディフェリンゲル)
過酸化ベンゾイル系・配合剤:ベピオ、デュアック、エピデュオ
他のお薬をお持ちの方や、塗るエリアを分けて併用したい場合は、必ず診察時または相談室へご相談ください。
副作用とリスク
アゼライン酸は、比較的刺激が穏やかとされる成分ですが、外用薬である以上、注意すべき点があります。使用前に、起こりうる副作用を理解しておくことが重要です。
使い始めの反応
使い始めを中心に、塗った部分にピリつき、かゆみ、赤み、乾燥、ヒリヒリ感といった反応が出ることがあります。多くは軽度で一時的とされ、肌が慣れることで落ち着いていくことが多いですが、症状が続く場合や強い場合は、医師に相談してください。
使用を中止・相談すべき症状
強い赤みや腫れ、我慢できないほどの刺激、広範囲のかぶれなどが現れた場合は、使用を中止し、すみやかに医師に相談してください。
使ってはいけない人・注意が必要な人
アゼライン酸は、比較的多くの方に使いやすいとされる成分ですが、以下に当てはまる方は、慎重な判断が必要になります。
過去にアゼライン酸でかぶれ(アレルギー)を起こしたことがある方は、使用を避ける必要があります。また、極端に敏感な肌の方や、使用部位に傷・湿疹・強い炎症がある方は、注意が必要です。
アゼライン酸は天然由来の成分であり、全身への影響がごく僅かなため、妊娠中・授乳中・妊活中の方でも安心してお使いいただけます。医薬品の外用薬(アダパレン等)が使用できない時期のニキビ・肌荒れケアとしても優れた選択肢となります。
他の治療との併用・使い分け
アゼライン酸は、ひとつの成分で多面的に働くため、単独で使うだけでなく、お肌の状態に合わせて他の治療と使い分けたり組み合わせたりします。
医薬品(アダパレン・ベピオ等)との使い分け
アダパレンやベピオなどの医薬品は高い効果が期待できる反面、初期刺激(赤みや皮むけ)が出やすい特徴があります。同じ場所に重ね塗りはできませんが、「医薬品で刺激が強く出てしまう方の代替案」としてアゼライン酸を選んだり、「顔のエリアによって塗り分ける」といった使い分けが可能です。また、妊娠中でこれらの医薬品が使えない時期の選択肢としても優れています。
内服薬や他外用薬との組み合わせ
ニキビ痕の色素沈着に対しては、内服薬(シナール・トラネキサム酸・ユベラ等)や、併用可能な外用薬(ハイドロキノン等)と組み合わせることで、内側と外側の両面からアプローチすることができます。
どのような組み合わせや使い分けが適しているかは、お肌の状態に合わせて医師が提案いたします。
医薬品・製剤に関する説明(医療広告ガイドライン)
本ページで案内しているアゼライン酸のオンライン処方について、医療広告ガイドラインに基づき以下のとおりご説明します。
| 治療の内容 | アゼライン酸(外用)。抗菌・角化調整・メラニン生成抑制・抗炎症の働きにより、ニキビ・色素沈着・赤みのケアを図ります。 |
|---|---|
| 承認区分 | 国内未承認(医薬品ではありません)。アゼライン酸は海外で医薬品として広く使用されていますが、日本国内では医薬品として承認されておらず、医療機関専売の化粧品(スキンケア製品)として提供しています。公的医療保険は適用されません。 |
| 併用注意・NG | レチノール、トレチノイン、アダパレン、ベピオ、デュアック、エピデュオとの同一部位への併用は不可となります。 |
| 主なリスク・副作用 | 使い始め特有の塗布部のピリピリ感、ヒリヒリ感、熱感、軽度のかゆみ・乾燥(多くは1〜2週間程度で自然に馴染みます)。 |
| 使用できる方 | 妊娠中・授乳中・妊活中の方でもご使用いただけます。本製剤の成分にアレルギーがある方、使用部位に強い傷や湿疹がある方は使用をお控えください。 |
| 費用負担 | 自由診療(全額自己負担)となります。 |
処方の流れ・料金
アゼライン酸は、ANS.のオンライン診療で処方を受けることができます。来院の手間をかけずに、スマートフォンで医師の診察を受け、お薬を自宅で受け取れるため、忙しい方でも継続しやすいのが特長です。
ご利用の流れは、オンラインでの予約、医師による問診・診察、処方とお薬の配送、というステップが基本となります。ANS.では、肌の状態に合わせたオーダーメイドの処方を行っており、ニキビや色素沈着・赤みの状態に応じて、他の薬剤と組み合わせた提案が可能です。料金や診察可能な時間帯については、料金ページ・予約ページをご確認ください。
よくある質問
アゼライン酸はニキビと色素沈着のどちらに効くのですか?
アダパレンや過酸化ベンゾイルと何が違うのですか?
刺激が少ないと聞きましたが本当ですか?
ニキビ痕の赤みや茶色い痕にも使えますか?
妊娠中・授乳中でも使えますか?
監修者情報
竹村 昌敏
ANS.監修医
2008年高知医科大学医学部卒業。初期研修後都内の大学病院麻酔科入局。その後、整形外科へ転科。2015年から医療×ITのスタートアップに参画し医療監修を務める。医療×IT分野の執筆多数。医療×ITを美容医療に導入するべくANS.の立ち上げに参画。