お仕事終わりの一杯や、大切な友人との乾杯。お酒を囲む時間は、一日の疲れを癒やし、心を解きほぐしてくれる貴重なひとときですよね。
ダイエットを意識し始めると「お酒は我慢しなきゃ……」と、好きなものを遠ざけるのが正解のように感じてしまうかもしれません。
でも、無理に「禁止」をすると、どこかで心が疲れ、反動がくることもあります。大切なのは、お酒を敵にするのではなく、一日の活動とのバランスを見ながら上手に付き合うスキルを身につけることに切り替えてみませんか。
体の中では「分解」の順番待ちが起きています

お酒を飲むと、体の中では少し特別なことが起こります。アルコールは体にとって、まずは優先的に処理したい物質として扱われます。
そのため、本来ならエネルギーとして使われるはずの食事の脂質や糖質が、アルコールの分解が終わるまで「順番待ち」の状態になってしまいます。
この「代謝の優先順位」が変わることが、ウェイトマネジメントに影響を与える大きな背景の一つ。お酒そのもののエネルギーを考えるとき、実は「その日どれくらい動いたか」という活動量とのバランスが、納得感のある付き合い方のカギになります。
スマートな付き合い方:動いた分をどう楽しむ?
「今日はいつもより歩いたな」「階段を意識して使ったな」という日、その頑張りを「お酒」という形で心地よく還元してみるのはいかがでしょうか。
たとえば、ウォーキングや活動の積み重ねで調整した「190kcal」を、お酒の種類に当てはめてみると、このような目安になります。
※各項目の数値は、公的な身体活動指標や食品成分表に基づいた一般的な目安です。
※190kcalの目安については、以前の記事『【頑張りすぎる前に「10分の余白」で NEAT(非運動性熱産生)を意識してみよう!】』を参照。
【ウェイトマネジメントの目安:デスクワーク編】
【ウェイトマネジメントの目安: 甘いものを楽しみたい編】
【ウェイトマネジメントの目安:夜の会食編】

なかでもワインは、1杯(120ml)あたり約80〜100kcalと、満足感に対してエネルギーのバランスがとりやすい選択肢です。ちびちびと時間をかけて味わう飲み方が多いため、自然と「流し込み」を防ぎ、動いた分のエネルギーを大切に味わうことができます。
視点を変えて、心地よい距離を探る
お酒を「やめる」のではなく、活動量に合わせて「選ぶ」という、前向きなシフトを試してみませんか。
・「チェイサー」を相棒にする グラスの横に、必ずお水を用意しましょう。お酒と同量のお水を飲むことで、体内の水分バランスを整え、翌朝を心地よく迎える手助けになります。
・「最初の一品」で整える せっかく動いて調整した分を活かすために、最初の一口は、素焼きのナッツやオリーブオイルを垂らした冷奴、お肉料理など『たんぱく質+良質な脂質』が含まれるものから。脂質を先に摂ることで胃の動きがゆっくりになり、お酒のアルコールや糖質が急激に吸収されるのを防いでくれます。
・「今日の結果」を可視化する 「今日はこれくらい動いたから、ワイン2杯がちょうどいいな」と、活動とお酒をセットで記録に残してみましょう。自分の体のリズムが少しずつ見えてきます。みませんか。

変化を恐れず、ゆったり構えましょう
もし「予定より少し飲み過ぎたかな」と感じても、翌朝の体重計の数値に一喜一憂しなくて大丈夫です。それは一時的に体内に水分を溜め込んでいるだけかもしれません。
大切なのは、そこから「もうダメだ」と投げ出さないこと。
翌日の食事で脂質を少し控えめにしたり、歩く距離を少し伸ばしたりして、数日かけてゆっくりパズルを完成させるように整えていけばいいのです。
「完璧な禁酒」よりも、活動量に合わせて「賢く選ぶ」習慣を。
主治医の先生ともご自身の体調を相談しながら、あなたにとって一番リラックスできるお酒との距離感を、一緒に見つけていきましょう。

※各項目の数値は、公的な身体活動指標や食品成分表に基づいた一般的な目安です。
<算出の根拠について> 本記事で紹介している消費エネルギー量および摂取カロリーの目安は、以下の資料を参考に算出しています。
厚生労働省「e-ヘルスネット」
国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』(2011年)」
文部科学省「日本食品標準成分表」 ※数値は体重60kgの方をモデルとした概算であり、年齢・性別・体質等により個人差があります。
※本記事は、一般的な生活習慣情報の提供を目的としており、特定の治療法や薬剤の効果を示すものではありません。体調や治療方針については、必ず担当医にご相談ください。
