ニキビ

小麦粉でニキビはできる?グルテンとの関係・やめるとどうなるかを解説


  • パンやパスタをよく食べるとニキビができる気がする
  • 小麦粉を控えたら肌の調子がよくなるって本当?
  • 小麦粉をやめれば、ニキビは治るの?

この記事を読んでいるあなたは、そう考えているかもしれません。

「小麦粉を食べるとニキビができる」という話は、SNSや美容情報でもよく見かけます。一方で、小麦粉さえやめればニキビが治るのかというと、話はそう単純ではありません

そこでこの記事では、小麦粉に含まれるグルテンとニキビの関係、小麦粉をやめるとどうなるのか、そして小麦粉以外にニキビができやすくなる原因まで解説します。

小麦粉との上手な付き合い方を知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

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小麦粉を食べるとニキビができるって本当?

小麦粉を食べるとニキビができるって本当?

結論からお伝えすると、「小麦粉を食べると必ずニキビができる」とは言い切れません

小麦粉そのものがニキビの直接的な原因であるという医学的な根拠は、現時点では確立されていないためです。日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン」でも、特定の食品とニキビの関係については、はっきりとした結論が出ていないのが現状です。

ただし、「パンやパスタをよく食べると肌が荒れる」「小麦粉を控えたら調子がよくなった」と感じる人が一定数いるのも事実です。

これは、小麦粉そのものというより、小麦粉を多く含む食生活が、間接的に肌の状態に影響している可能性が考えられます。

つまり、小麦粉は「絶対にニキビをつくる食べ物」でも「まったく無関係な食べ物」でもなく、体質や食べ方、食生活全体のバランスによって、肌に影響が出る場合があるととらえるのが実際に近いでしょう。

そもそもグルテンとは?

小麦粉とニキビの話でよく登場するのが「グルテン」です。

グルテンとは、小麦や大麦、ライ麦などに含まれるタンパク質の一種のこと。水を加えてこねることで粘りが生まれ、パンのもちもちとした食感や、うどん・パスタのコシを生み出しています。

グルテンは、パンや麺類だけでなく、クッキーやケーキなどの焼き菓子、揚げ物の衣、一部の加工食品にも含まれています。そのため、普段の食生活で意識せずに摂取していることも少なくありません。

近年は「グルテンフリー」という食事法が注目されていますが、まずはグルテンとニキビの関係を正しく整理しておきましょう。

グルテンフリーだとニキビはできにくい?

グルテンフリーとは、小麦をはじめとするグルテンを含む食品を避ける食事法のことです。

「グルテンフリーにしたらニキビが減った」という声は確かにありますが、すべての人に同じ効果があるわけではありません

そもそもグルテンフリーは、もともと小麦アレルギーやセリアック病(グルテンによって腸に炎症が起こる病気)など、グルテンに反応してしまう体質の人のための食事法でした。そうした体質の人であれば、グルテンを控えることで肌の赤みやかゆみ、肌荒れが落ち着くことがあります。

一方で、グルテンに問題のない体質の人が試しても、ニキビへの変化を感じにくいことも多いものです。

グルテンフリーは「肌によい魔法の食事」ではなく、自分の体質に合うかどうかを見極めながら取り入れるものと考えるのがよいでしょう。

小麦粉がニキビにつながる4つの理由

小麦粉がニキビにつながる4つの理由

小麦粉が直接ニキビをつくるわけではないものの、小麦粉を多く含む食生活が、いくつかの経路で肌に影響する可能性は指摘されています。

代表的な4つの理由を見ていきましょう。

  • グルテンによる腸内環境の乱れ
  • 血糖値の上昇による皮脂の増加
  • 栄養バランスのかたより
  • 小麦アレルギーによる肌荒れ

グルテンによる腸内環境の乱れ

1つ目は、腸内環境の乱れです。

グルテンは消化されにくいタンパク質で、体質によっては腸に負担をかけることがあると言われています。腸内環境が乱れると、便秘や腸内細菌のバランスの崩れを通じて、肌のコンディションにも影響が及ぶと考えられています。

腸と肌のつながりは「腸内環境が整うと肌の調子も整いやすい」という形で語られることが多く、逆に腸内環境が乱れた状態が続くと、ニキビや肌荒れが起こりやすくなる可能性があります。

ただし、これはグルテンに敏感な体質の場合に起こりやすいもので、誰にでも同じように当てはまるわけではありません

血糖値の上昇による皮脂の増加

2つ目は、血糖値の上昇による皮脂の増加です。

これはグルテンそのものよりも、小麦粉が「糖質」であることに関係しています。

パンや麺類、菓子類など小麦粉を使った食品は糖質が多くなりやすく、食べると血糖値が上がります。すると、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌され、このインスリンが皮脂の分泌を促す方向に働くことがあります。

皮脂が過剰になると毛穴が詰まりやすくなり、ニキビができやすい状態につながります。

つまり、「小麦粉だから」というより「糖質の多い食事に偏っているから」という側面が大きいと言えます。

栄養バランスのかたより

3つ目は、栄養バランスのかたよりです。

パンやパスタ、麺類だけで食事を済ませてしまうと、肌の健康に必要なビタミンやミネラル、タンパク質が不足しやすくなります

肌はビタミンA・B群・C・Eや亜鉛などの栄養素によって健やかに保たれています。これらが不足すると肌のバリア機能が低下し、ニキビができやすく、治りにくい状態になりがちです。

小麦粉そのものが悪いというより、小麦製品中心の食事で栄養が偏ることが、肌にとってはマイナスに働くのです。

小麦アレルギーによる肌荒れ

4つ目は、小麦アレルギーによる肌荒れです。

小麦アレルギーを持つ人は、小麦を摂取した後に、じんましんや湿疹などのアレルギー反応が出ることがあります。これは免疫が小麦を異物と認識して過剰に反応するために起こるもので、いわゆるニキビとは別の肌トラブルです。

ニキビと小麦アレルギーによる肌荒れは見た目が似ていて、自分では区別がつきにくいこともあります。小麦を食べた後に決まって肌の異常が出る場合は、アレルギーの可能性も考えて、一度皮膚科で相談してみるとよいでしょう。

小麦粉をやめるとどうなる?メリットとデメリット

「小麦粉をやめればいいのでは」と考える人もいますが、小麦粉を控えることにはメリットとデメリットの両方があります。極端に走る前に、両面を知っておきましょう。

小麦粉を控えるメリット

小麦粉を控えることで期待できるメリットには、次のようなものがあります。

  • 糖質の摂りすぎが抑えられ、血糖値が安定しやすくなる
  • グルテンに敏感な体質の場合、腸の負担がやわらぐことがある
  • パン・麺類中心の食事を見直すきっかけになり、栄養バランスが整いやすい

特に、これまで主食がパンやパスタに偏っていた人は、小麦粉を控えることで食生活全体が見直され、結果として肌の調子が整いやすくなるケースがあります。

小麦粉を控えるデメリット・注意点

一方で、注意しておきたい点もあります。

  • 極端な制限はストレスになり、かえって続きにくい
  • 小麦粉に含まれる栄養素まで不足し、栄養バランスが崩れることがある
  • 「小麦粉を抜いたのに変わらない」と、他の原因を見落としてしまう

グルテンフリーは、もともと健康な人向けの食事法ではありません。自己流で極端に小麦を抜くと、食物繊維やビタミン、ミネラルが不足することもあります。

また、糖質や脂質の多いお菓子を食べ続けていれば、小麦粉を抜いてもニキビの原因は残ったままです。

小麦粉をやめること自体が目的化してしまわないよう、まずは2〜3週間ほど控えめにして肌の変化を見るくらいの、無理のない取り組み方がおすすめです。

小麦粉だけが原因とは限らない|ニキビができる他の原因

小麦粉だけが原因とは限らない|ニキビができる他の原因

ここまで小麦粉とニキビの関係を見てきましたが、そもそもニキビは、複数の要因が重なって起こる肌トラブルです。

ニキビは、毛穴に皮脂が詰まり、そこにアクネ菌が増えて炎症が起こる、というプロセスで発生します。食べ物はあくまで要因の一つにすぎません。

「小麦粉を控えても改善しない」という場合は、次のような原因が関わっている可能性があります。

皮脂の過剰分泌と毛穴のつまり

ニキビの最も基本的な原因が、皮脂の過剰分泌と毛穴のつまりです。

皮脂が増えすぎたり、古い角質が毛穴に詰まったりすると、アクネ菌が増殖しやすい環境が生まれ、炎症へとつながります。皮脂の分泌は、体質やホルモン、季節、スキンケアなどさまざまな要因で変化します。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れも、ニキビの大きな原因です。

特に男性ホルモン(アンドロゲン)は皮脂の分泌を促す働きがあり、生理前や睡眠不足、ストレスなどでホルモンバランスが崩れると、ニキビができやすくなります。あご周りやフェイスラインに繰り返しできるニキビは、ホルモンの影響を受けていることが少なくありません。

睡眠不足やストレス

睡眠不足やストレスも見逃せません。

睡眠が不足すると肌のターンオーバーが乱れ、毛穴が詰まりやすくなります。またストレスがかかると、皮脂の分泌を促すホルモンが増え、ニキビができやすい状態に傾きます。

食事を整えても生活習慣が乱れていれば、肌トラブルは繰り返しやすくなります。

間違ったスキンケア

間違ったスキンケアが、ニキビを悪化させていることもあります。

洗いすぎによる乾燥、肌に合わない化粧品、ニキビを気にして触ってしまう習慣などは、いずれも肌に負担をかけます。よかれと思ったケアが逆効果になっているケースも珍しくありません。

ニキビができやすい人・できにくい人の違い

同じように小麦粉を食べていても、ニキビができやすい人とできにくい人がいます。その違いは、次のような要素の積み重ねによるものです。

ニキビができやすい人の傾向

  • 皮脂の分泌が多い脂性肌の傾向がある
  • 糖質・脂質に偏った食事が続いている
  • 睡眠不足やストレスをためこみがち
  • ホルモンバランスが乱れやすい
  • スキンケアが肌に合っていない、または不十分

ニキビができにくい人の傾向

  • 栄養バランスのとれた食事を続けている
  • 睡眠や生活リズムが安定している
  • 肌に合ったスキンケアで清潔と保湿を保てている
  • 皮脂や毛穴のトラブルが起こりにくい肌質

つまり、ニキビのできやすさは「小麦粉を食べるかどうか」だけで決まるものではなく、食事・生活習慣・体質・スキンケアの総合的なバランスで決まります。

小麦粉を気にする前に、まずは自分の生活全体を振り返ってみることが大切です。

小麦粉を食べるときにニキビを防ぐ工夫

小麦粉を完全にやめる必要はありません。食べ方を少し工夫するだけでも、肌への負担をやわらげることができます。日常に取り入れやすい3つのポイントを紹介します。

米粉など他の食材に置き換える

パンやお菓子をよく食べる人は、一部を米粉などの食材に置き換えるのがおすすめです。

米粉はグルテンを含まず、小麦粉の代わりとして使いやすい食材です。米粉パンや米粉のお菓子を選べば、好きなものを我慢しすぎることなく、小麦粉の摂取量を無理なく減らせます。

「すべてをやめる」のではなく「一部を置き換える」ことから始めると、続けやすくなります。

血糖値を上げにくい食べ方を意識する

血糖値を急激に上げない食べ方も効果的です。

いきなり主食から食べるのではなく、野菜やタンパク質から先に食べることで、血糖値の急上昇をゆるやかにできます。血糖値の変動がゆるやかになれば、皮脂の分泌を促すインスリンの過剰な働きも抑えやすくなります。

同じ小麦粉料理でも、食べる順番を変えるだけで肌への負担が変わってきます。

野菜やタンパク質をあわせてとる

パンや麺類だけで食事を済ませず、野菜やタンパク質をあわせてとることも意識しましょう。

パスタにサラダやスープ、たんぱく質のおかずを添えるだけでも、栄養バランスがぐっと整います。ビタミンやミネラル、タンパク質は肌の健康を支える栄養素なので、しっかり補うことが大切です。

「小麦粉を減らす」だけでなく「足りない栄養を足す」という視点を持つと、肌にやさしい食事に近づきます。

セルフケアで改善しないニキビは医療機関へ

食生活や生活習慣の見直しは、ニキビ予防の土台になります。軽いニキビであれば、食事や生活を整えるセルフケアで落ち着いていくことも少なくありません。

ただし、炎症を起こして赤く腫れているニキビや、痛みを伴うニキビ、何度も繰り返すニキビは、セルフケアだけで改善するのが難しいこともあります。市販薬は作用が穏やかで軽度のニキビ向きのため、こうした状態には効果が届きにくい場合があるのです。

炎症や痛みがある場合や、セルフケアを続けても改善が見られない場合は、無理に自己流を続けるより、早めに医療機関へ相談するのがおすすめです。

皮膚科などの医療機関では、ニキビの状態に合わせて処方薬による治療が受けられます。市販薬では配合できる有効成分に限りがありますが、医療機関なら一人ひとりの症状に合わせた薬を、医師の診断のもとで使えるのが大きな違いです。

「食事も気をつけているのに治らない」と感じたら、それは医療のサポートを検討するサインかもしれません。

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記事の監修者
竹村 昌敏
ANS.監修医 2008年高知医科大学医学部卒業。初期研修後都内の大学病院麻酔科入局。 その後、整形外科へ転科。2015年から医療×ITのスタートアップに参画し医療監修を務める。医療×IT分野の執筆多数。 医療×ITを美容医療に導入するべくANS.の立ち上げに参画。

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