2008年高知医科大学医学部卒業。初期研修後都内の大学病院麻酔科入局。
その後、整形外科へ転科。2015年から医療×ITのスタートアップに参画し医療監修を務める。医療×IT分野の執筆多数。 医療×ITを美容医療に導入するべくANS.の立ち上げに参画。ANS.クリニック院長。
- 美白成分はたくさんあるけど、どう違うの?
- 有効成分といってもどのようにシミに効くの?
- シミに効く成分の効果的な取り入れ方を知りたい
この記事を読むあなたは、そう悩んでいるかもしれません。
この記事では、シミに有効な成分を厳選して6種類ご紹介します。シミ用のスキンケアを選んでいる方のために、有効成分の効果を引き出すスキンケアのコツも解説します。ぜひ参考にしてみてください。
シミに効く成分7選
さっそくシミに効く成分7種類の効果について解説します。配合されるアイテムも紹介するので、スキンケアアイテム選びの参考にしてみてください。
- ハイドロキノン
- トレチノイン
- ビタミンC誘導体
- トラネキサム酸
- レチノール
- アルブチン
- プラセンタエキス
ハイドロキノン
シミへの効果 | シミ予防 シミを薄くする |
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アイテム | 化粧品 処方薬 |
ハイドロキノンは、シミや色素沈着の主な原因であるメラニン色素を分解し、色味を薄くする効果があります。
シミはチロシンという体内の成分が酸化反応を繰り返し、濃いメラニン色素になることで目立っていきます。ハイドロキノンはこの酸化に関わる酵素を抑制することで、シミに効果を発揮します。
ハイドロキノンは特に皮膚の表面にあるシミに効果的であり、そばかすや肝斑、色素沈着を薄くする効果が期待できます。
さらにハイドロキノンは、シミのもとになるメラニンを増やさない作用があることも特徴です。
メラニン色素を産生する酵素であるチロシナーゼもシミができる原因の一つです、ハイドロキノンはこのチロシナーゼの働きを抑制し、メラニン色素の産生を抑える作用があります。
トレチノイン
シミへの効果 | シミの排出 |
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アイテム | 化粧品 |
トレチノインはビタミンA(レチノール)の派生形であり、外用薬としての主な役割は角質層の改善や色素沈着の軽減です。
ビタミンAには、皮膚の新陳代謝を正常に保ち、古い角質を排除して健康的な肌を維持する作用があります。このプロセスを通じて、基底層に蓄積されたメラニン色素が迅速に表面に移動し、外に排出されるため、色素沈着の改善が期待できます。
ビタミンC誘導体
シミへの効果 | シミ予防 シミを薄くする シミの排出 |
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アイテム | 化粧品 |
ビタミンC誘導体は、ビタミンCを他の分子と結合させてビタミンCの弱点である角質層への浸透の悪さや、酸化しやすさを改良した成分です。
ビタミンC同様、メラニンの生成を抑える働きがあり、シミやそばかすを防ぎます。
さらに既存のシミを薄くする効果も期待できます。また、肌のターンオーバーを正常に促進することで、メラニンの排出をサポートします。
皮脂をコントロールする作用もあるのでニキビ肌の方にもよく用いられますが、人によっては乾燥を感じやすくなります。乾燥肌の人は、保湿剤との併用がおすすめです。
トラネキサム酸
シミへの効果 | シミ予防 |
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アイテム | 市販内服薬 処方内服薬 |
トラネキサム酸は、タンパク質を構成する必須アミノ酸リシンをもとに人工的に合成されたアミノ酸の一種です。
トラネキサム酸はメラニン色素の生成を抑える作用があり、主に肝斑などのシミ治療に用いられます。
肝斑に有効な理由は、トラネキサム酸に抗炎症作用があるためです。肝斑は肌が小さく炎症を起こしている状態ですが、トラネキサム酸はこの炎症を抑えることができます。
ほかにも、火傷やケガの後にできる炎症後色素沈着にも有効です。
レチノール
シミへの効果 | シミを排出する |
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アイテム | 化粧品 処方薬 |
レチノールは、肌の細胞分裂機能を調節することで、シミの原因に働きかけます。
通常、メラニン色素は肌の外へ排出されますが、細胞分裂の機能が弱まることで肌のターンオーバーが乱れ、メラニン色素が排出されにくくなります。
細胞分裂機能を調節することで、メラニン色素の排出をサポートするのがレチノールの役割です。
さらに、レチノールは真皮に存在するヒアルロン酸の産生を促進することで皮膚のシワやハリに対する効果も期待できます。
アルブチン
シミへの効果 | シミ予防 |
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アイテム | 化粧品 |
アルブチンの特徴は、日焼けなどの紫外線を受けた肌にシミのもとを作らせないようにする作用です。
メラニンの生成を抑制する作用があり、チロシナーゼ酵素の活性化を阻害します。シミのもとなるメラニンの生成を抑え、早い段階でシミの形成を防止する効果が期待できます。
肌への刺激が比較的少ないため、敏感肌の人でも比較的安心して使用できるのが特徴です。ハイドロキノンやトレチノインの使用を諦めていた人でも、取り入れやすい成分といえます。
プラセンタエキス
シミへの効果 | シミ予防 シミの排出 |
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アイテム | 化粧品 |
美容成分として利用されるプラセンタエキスは、アミノ酸やミネラルを含んでおり、美白にも良いとされています。
プラセンタエキスがメラニン生成に関与する酵素であるチロシナーゼの活性を阻害し、メラニンの生成を抑制することでシミを予防します。
さらに、すでにあるシミの排出にも有効です。プラセンタエキスに含まれる細胞増殖因子が肌のターンオーバーを促進することで、シミの排出をサポートします。
有効成分がシミに効く仕組み
紹介した有効成分がどのようにしてシミに作用するのか、その仕組みを解説します。
- メラニンの生成を抑制
- メラニンを還元
- 肌のターンオーバーを促す
メラニンの生成を抑制
一般的にシミに効く有効成分はメラニンの生成を抑制することでシミをできにくくします。
メラニンは、紫外線や炎症などの刺激を受けた色素細胞(メラノサイト)で生成される色素です。通常、紫外線や摩擦などの刺激が皮膚に加わると、メラニンが生成されて肌に日焼けやシミといった色素沈着を生じます。
そのため、メラニンの生成を抑制することで、シミが発生したり濃くなったりするのを防ぐことができます。
メラニンを還元
メラニンの還元とは、メラニンという色素を無色化するプロセスのことです。
メラニンは皮膚の色素を形成するために重要な役割を果たしています。しかし過剰なメラニンの生成や沈着は、シミや肌の色不均一性を引き起こす原因となります。
メラニンの還元とは、メラニンの色素が無色の物質に戻る反応のことです。これにより、肌の色素沈着が軽減され、シミが薄くなる効果が期待できます。
シミに効く有効成分にはメラニンの還元作用が含まれているものがあり、既存のシミや色素沈着を薄くすることができるのです。
肌のターンオーバーを促す
肌のターンオーバーは、皮膚の内部から表面へ向かう細胞の生産、成熟、剥離のサイクルのことです。このプロセスによって、古い細胞が排除され、新しい健康な皮膚が作られます。
ターンオーバーによって、肌は常に新陳代謝を繰り返し、健康な状態を維持します。また、ターンオーバーの過程で、メラニンも排出されるため、今あるシミを薄くできるのです。
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シミに効く成分の効果を引き出すコツ
せっかくシミに効く有効成分を取り入れても、肌に良くない生活をしていては、その効果を十分に享受できません。
有効成分の作用を引き出す3つのコツを解説します。
- 摩擦を避ける
- 紫外線対策
- 生活習慣を改善する
摩擦を避ける
摩擦を避けることで、肌にストレスを与えずにシミに効く成分を効果的に活用できます。
摩擦によって皮膚が刺激を受けるとメラニンの生成が促進され、新たなシミが形成される可能性があります。できるだけ肌への摩擦を避けることが大切です。
化粧水を使用する際には、強い力でパッティングすると肌に負担がかかってしまいます。コットンや手で強くこするのではなく、優しく押し当てるようにすることで、摩擦を最小限に抑え肌への負担も減らすことができます。特に目や頬などのデリケートな部分は、優しく扱うことが大切です。
特に肝斑は日光や摩擦などの刺激に非常に敏感であり、少しの刺激でも濃くなることがあります。肝斑がある場合は特に丁寧に扱いましょう。
紫外線対策
シミの有効成分を取り入れても、紫外線を浴びてしまっては効果が期待しにくくなってしまいます。
紫外線はシミの主な原因の一つなので、紫外線対策をすることはシミ対策にとって重要です。
紫外線は晴れた日だけでなく、曇りや雨の日でも降り注いでいるうえ、季節に関係なく一年中肌に降り注いでいます。そのため、一年を通じたUVケアが必須です。
紫外線が強い季節や日中の時間帯は、日焼け止めを塗るだけでなく、日傘や帽子を取り入れるのがおすすめです。
生活習慣を改善する
肌によい生活習慣を取り入れることも大切です。
特に質のよい睡眠と肌によい食生活は、健康な肌をサポートします。
良質な睡眠は肌の再生や修復に欠かせません。睡眠中には肌細胞が活発に再生されるため、十分な睡眠をとることで肌の健康を保てます。また、ターンオーバーの周期も整います。
栄養バランスの良い食事は肌の健康をサポートします。特にビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質は、肌の老化やシミの予防に効果的です。
皮膚科でもらえる処方薬
シミに有効な成分を多めに摂取したい場合は、皮膚科でもらえる処方薬がおすすめです。
市販薬よりも濃い成分を摂取できます。
- ハイチオール(内服薬)
- ユベラ(内服薬)
- トレチノイン(外用薬)
ハイチオール(内服薬)
効果 | シミ・そばかすの改善 肌荒れの改善 疲労改善 アレルギーの改善 二日酔いの改善 |
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副作用 | 悪心や下痢、口渇、軽度の腹痛など |
ハイチオールは、L‐システインを主成分とする処方薬であり、シミや肌の色ムラを薄くする効果があります。
「メラニンの過剰な生成を抑える」「活性酸素を除去する」「肌のターンオーバーを正常化する」という3つの作用でシミにアプローチします。
ハイチオールは、食事からの摂取が難しいため、内服薬として補うことで効率よく摂取できるのでおすすめです。
ユベラ(内服薬)
効果 | 血行促進によるシミ・肝斑・ニキビ跡の改善 抗酸化作用によるシワ・たるみ・シミの改善 |
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副作用 | 便秘、胃部不快感、下痢、発疹など |
ユベラはトコフェロール(ビタミンE)を主成分とする処方薬であり、皮膚のターンオーバーを促進し、メラニンの排出を促す働きがあります。
血液の循環を促進する作用があり、肌の新陳代謝(ターンオーバー)を正常化させることで、シミやそばかすを改善する効果が期待されます。
ユベラには錠剤、軟膏、カプセルの3種類がありますが、シミの治療に用いるのは内服薬です。
トレチノイン(外用薬)
効果 | シミ治療 しわなどの改善 ニキビやニキビ跡の改善 |
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副作用 | レチノイド皮膚炎(発赤、紅斑、痒みなど) |
トレチノインはビタミンA(レチノール)の誘導体であり、皮膚のターンオーバーを早める薬として知られています。
肌のターンオーバーを促進する作用で、メラニンの排出速度を向上させてシミを薄くします。
トレチノインは市販の化粧品にも配合されている成分です。しかし、市販品では規制のため濃度が低く、思ったような効果を得られないことも。高濃度のトレチノインを不安なく取り入れるには、医師の診察の元で処方薬を使用するのがおすすめです。
ANS.でシミ治療をした症例紹介
まとめ シミに効く成分を効率よく取り入れるには皮膚科の処方薬がおすすめ
シミに効く成分を取り入れるなら、皮膚科でもらえる処方薬がおすすめです。市販の薬よりも濃度が高く、効果が認められているためです。万が一肌や体質に合わなかった時も、すぐに相談できて不安なくシミ治療を進められるでしょう。
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