肥満症

「もったいない」の罠 〜残り物を食べるのは節約?〜

毎日、家事や育児、お仕事に追われていると、どうしても自分のことが後回しになってしまいますよね。ふと気づけば、家族が残したおかずや、お鍋の底に少しだけ残ったスープを「もったいないから」と口に運んでいませんか。

それは、あなたが周りの人を大切に想い、食べ物を優しく扱おうとしている素敵な証拠です。

一方で、その優しい気持ちが、知らず知らずのうちに自分自身の負担になっているかもしれません。

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なぜ「お腹が空いていないのに」食べてしまうのか

 

お腹がそれほど空いていないのに、つい残り物を口にしてしまうのには、心の動きと環境が深く関係しています。

私たちは通常、お腹が空いたという「体からのサイン」に従って食事をとります。しかし、目の前に「残された食事」というきっかけがあると、

頭の中で「残しては申し訳ない」という思いが強く働いてしまうのです。忙しい日々の中で自分の体に向き合う余裕がないときほど、周りの状況に行動を支配されやすくなります。

これは、自分の意志の弱さではなく、環境によって引き起こされる自然な反応の一つです。

例えるなら、コンビニのレジ横においしそうな大福やホットスナックが置いてあると、買う予定がなかったのについ手が伸びてしまうようなもの。

行動療法の視点からも、この「きっかけ」に気づくことが最初のステップになります。

 「家計の節約」という大きな誤解

「残り物を食べるのは、食べ物を無駄にしないし、家計に優しい節約になる」と思っていませんか。

実は、ここに大きな誤解があります。

以前、私たちは「1日約190kcal(※)の丁寧な積み重ね」や「3%の変化(※)」の意義についてご紹介しましたが、たとえほんの少しの残り物でも、毎日のように積み重なれば、確実に体重や体調に跳ね返ってきます。

残り物を無理に自分の体に入れることは、家計の節約ではなく「将来の自分のすこやかな代謝を、少しずつ浪費している状態」なのかもしれません。

あなたの体は、誰かの食べ残しを受け止める場所ではないのです。

※190kcalの目安については以下の記事を参照。

【頑張りすぎる前に「10分の余白」で NEAT(非運動性熱産生)を意識してみよう!】
※3%の変化については以下の記事を参照。
【【初めの一歩】体重3%を目安にした生活習慣の見直し】

「もったいない」をお色直ししてみる

これからは、残り物に出会ったときの捉え方を少しだけ変えてみませんか。
「もったいない」と感じたその瞬間を、自分自身の今の気持ちを見つめる「攻略本(※)」の1ページに変えていくのです。
残ったおかずを無理に食べるのではなく、「次の私を助けるためのストック」として捉えてみるのはいかがでしょうか。


小さなタッパーにそっと分ける(明日のお弁当・一品に)

ラップに優しく包んで冷凍庫へ(未来の私を救うタイムカプセル)

カボチャや大豆など「黄色い土の恵み」を足し算して、新しい料理に育てる

東洋医学の世界でも、カボチャや大豆といった「黄色い土の恵み」は、心と体を内側から支える大切なエネルギー(日々の食生活のバランスを整える、元気の源)になると言われています。

無理に食べるのではなく、少しだけ形を変えて労わりをプラスする。

それは、食べ物を粗末にしないことにもつながりますし、何より「未来の自分」への優しいプレゼントになります。

※攻略本については以下の記事を参照。
【記録は「採点表」ではなく「攻略本」づくりをしてみよう】

あなたを支える「土台」を大切に

もし「もったいない」と口に運びそうになったら、その瞬間の気持ちをノートやスマホにそっと書き留めてみるのも、自分を大切にする素敵なアプローチです。

その場で無理に残り物を処理するのをやめて、次の私を助けるストックへと優しく「お色直し」してみる。

それは、『後からダイエットや体型のことで悩む時間』をまるごとリセットして、未来の自分へ時間を生み出す、何よりの優しいプレゼントになります。

まずは、毎日を頑張るご自身の心と体を一番に労わってあげてくださいね。なお、具体的な体調の管理や生活習慣の調整については、医師に相談しながら、あなただけの心地よいペースを見つけていってください。


※各項目の数値は、公的な身体活動指標や食品成分表に基づいた一般的な目安です。

<算出の根拠について> 本記事で紹介している消費エネルギー量および摂取カロリーの目安は、以下の資料を参考に算出しています。
厚生労働省「e-ヘルスネット」
国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』(2011年)」
文部科学省「日本食品標準成分表」 ※数値は体重60kgの方をモデルとした概算であり、年齢・性別・体質等により個人差があります。

※本記事は、一般的な生活習慣情報の提供を目的としており、特定の治療法や薬剤の効果を示すものではありません。体調や治療方針については、必ず担当医にご相談ください。

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記事の監修者
竹村 昌敏
ANS.監修医 2008年高知医科大学医学部卒業。初期研修後都内の大学病院麻酔科入局。 その後、整形外科へ転科。2015年から医療×ITのスタートアップに参画し医療監修を務める。医療×IT分野の執筆多数。 医療×ITを美容医療に導入するべくANS.の立ち上げに参画。

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