ANS.のインタビュー連載『美容医療のプロに聞く、いま注目の美容法』では、美容医療のプロフェッショナルである医師に、いま注目している美容法について取材。ユーザー様の肌悩みのアンサーの一つとなるような情報をお届けします。
今回お話を伺ったのは「吉祥寺まなみ皮フ科 葉山 愛弥先生」
吉祥寺まなみ皮フ科 葉山 愛弥先生
睡眠が一番の美容法!
ー葉山先生が健康や美容のために心がけていることを教えてください。
基本的なことですが、しっかり睡眠をとることです。毎日、だいたい8-9時間ほど寝ていますが、それでも寝足りないと感じることがあるほど(笑)。
若い頃は6〜7時間ほどの睡眠で十分でしたが、40歳を過ぎてからは子育ての疲れや仕事への責任感など、さまざまなプレッシャーを感じることが増えました。
その結果、体力的にも精神的にも疲れが溜まりやすくなっているので、心身の疲労を回復させるためにも、できるだけしっかりと睡眠をとることを心がけています。
特別なケアをするというよりは、心身ともに健やかでいることを何より大切にしています。
しっかり保湿をしているのに乾燥が改善しない場合は、皮膚科へ
ー葉山先生の冬の肌ケアを教えてください。
この時期は、特に乾燥が気になりますよね。ただ、私は未だにニキビができることがあるため、オイルが多く配合されたアイテムを使うと、ニキビができてしまうことがあります。
そのため、基本的な保湿をしっかり行いつつ、季節や肌の状態、さらには今後の予定などを考慮しながら、そのとき肌が必要としているものを選んでケアしています。最近はレチノールやビタミンCが配合された製品を使うことが多いですね。
特にレチノールは、最近さまざまな製品を試しているところです。
レチノールは濃度によっては皮むけや赤みが出ることもあるので、そうした反応もすべて自分の肌で試したうえで、患者さまに提案しています。
ー肌がピリピリするくらい乾燥した場合、どのようなケアをすればよいですか?
肌が乾燥して痒みが出たり、保湿してもカサつきが取れないという方は、湿疹である場合が多いです。まずはお薬を塗ることをおすすめします。
湿疹の程度にもよりますが、薬を2〜3日使うだけでも改善することがありますよ。症状が落ち着いたら、普段通りのスキンケアに戻していただいて大丈夫です。
乾燥による小ジワも、実は慢性的な湿疹が原因である場合があるので、「たかが乾燥」と侮らず、しっかりと治療することが大切ですよ。
ー肌の調子を整えるのには外側からのケアに加えて、内側からのケアも大切だと思いますが、葉山先生は普段何かサプリメントやお薬などを飲まれていますか?
トラネキサム酸とビタミンCを摂っていて、もう10年くらい継続していますね。でもそんなにマメなタイプではないので、目につくところになければ飲まないこともあります(笑)。
肝斑はトラネキサム酸・ビタミンCを飲むことで、3〜4ヶ月ほどで8割くらいが改善するというデータもありますので、鏡を見てシミが浮いてきたり、くすみが気になったりしたときに、3ヶ月くらい継続して飲むようにしています。
日常のスキンケアが大切。スキンケア指導で肌質を改善
ー葉山先生が今注目している美容医療を教えてください!
最近、目元のクマが気になり、ベビーコラーゲンというヒト由来のコラーゲンを肌に注入しました。その結果、とても肌の調子が良くなり周囲からの評判も上々です!また、定期的に非架橋のヒアルロン酸を注入することで肌育をおこなっています。
また、年齢的にたるみが気になり始めているため、ハイフ(高密度焦点式超音波)と高周波(RF)を交互に施術していきたいと考えています。
具体的には、3ヶ月に1回のペースでボルニューマを当て、その間にテノールを取り入れるという「欲張り美容スケジュール」を妄想中です(笑)。
ー葉山先生のクリニックに来院される年齢層や人気治療について教えてください。
当院では保険診療も行っているため、患者様の年齢層は非常に幅広く、0歳から100歳以上の方にもご来院いただいています。
美容医療に関しては、特にたるみやシミが気になり始めた45歳前後の方が多くいらっしゃいます。美容にとても詳しいという方よりも、「最近シミが気になってきたので、何か始めたい」といった美容医療初心者の方が多い印象です。
初めはシミ治療からスタートし、シミが改善されると次に小ジワが気になり、その後はたるみが気になる……というように、みなさまそれぞれのお悩みを段階的にご相談いただくことが多いですね。
中には「正しいスキンケア方法を教えてほしい」というご相談もあります。たとえば、10代、20代の方から洗顔の仕方が分からないといった基本的な質問も多く、そのような方にはスキンケア指導も行っています。また、アンチエイジングとしてのお悩みには、メディカルコスメは施術と同等に大切ですので、相談に乗ることが多いです。
ーお悩みの改善のために皮膚科に行くイメージがありましたが、スキンケアから変えたいという方もいらっしゃるんですね!
そうですね。毛穴の開きや肌のざらつき、脂漏性角化症(加齢によるイボ)など、肌質そのものを改善したいという方も多くいらっしゃいます。そうした方には、お悩みに合ったスキンケアをご提案するとともに、必要に応じておすすめの施術もご案内しています。
美容施術は高額なので、頻繁に受けるのは難しいですよね。ただ、毎日のスキンケア方法を見直したり、使用するスキンケアを自分の肌に合ったものに切り替えたりするだけでも、肌状態の改善が期待できますよ。どのようなスキンケアを使えば良いか迷ったら、ぜひご相談ください。
みんな綺麗になれる。自分の限界を決めつけないで
ー葉山先生が皮膚科の道に進んだきっかけと理由を教えてください。
きっかけは、高校1年生のときの海外旅行でした。旅先で発熱し、発疹が出てしまい、「変な菌だったらどうしよう」と不安になって皮膚科を受診しました。
その際、内科的な疾患が疑われて検査を受けることになり、皮膚の症状から内科疾患が分かるということにとても感銘を受けました。この経験がきっかけで皮膚科医を目指そうと決意し、日本大学医学部に入学しました。
その後、皮膚科の中でも膠原病疾患に興味を持ち、リウマチ膠原病センターがある東京女子医科大学病院で専門的に勉強しました。現在は、地元に貢献したいという思いで、日々診療に励んでいます。
ー美容医療を始められたきっかけはありますか?
皮膚科医として診療するなかで、保険診療だけでは対応できないこともあり、新しい分野にも挑戦してみたいと思い、美容医療を勉強し始めました。開業前も自費治療を行なっているクリニックで研修を積んでおり、最近も、休診日である水曜日には、有名な形成外科の先生のところ(美容皮膚科・形成外科)に勤めて学んでいます。
ーお休みなしですか!?
そうですね、日曜日だけお休みです。だから日々よく寝ないと体力が持たないのかな(笑)。新しいことがどんどんできるようになるのが好きなんです。
いろいろな知識を身につけたおかげで、最近では雑誌やテレビ出演のオファーもよくいただいています。
ー朝の番組でたまたま拝見してびっくりしました(笑)。チャレンジ精神をもち続けているのですね。最後に、読者にメッセージをお願いします。
自分はここまでしか綺麗になれないとか、こういう肌質だからしょうがないと、自分の限界を決めつけないでほしいなと思います。綺麗になるために、私たちを使ってほしい。
医師に話を聞くことで、意外なことがわかったり、自分に合うものが見つかったりもします。今の肌から綺麗になる想像がしにくくても、限界を決めつけず、前向きに取り組めば、少しずつでも綺麗になれることを知ってほしいです!
せっかく足を運んでいらしていただいているからこそ、患者さまに「行ってよかったな」と思えるように私も努力しますので、一緒に頑張りましょう。
吉祥寺まなみ皮フ科
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-5-10 いちご吉祥寺ビル1F
電車:JR「吉祥寺駅」から徒歩7分/京王井の頭線「吉祥寺駅」から徒歩9分
バス:武蔵野八幡宮下車目の前
問い合わせ:0422-23-1155