ANS.のインタビュー連載『美容医療のプロに聞く、いま注目の美容法』では、美容医療のプロフェッショナルである医師に、いま注目している美容法について取材。ユーザー様の肌悩みのアンサーの一つとなるような情報をお届けします。
今回お話を伺ったのは「Alohaさおり自由が丘クリニック 藤堂紗織先生」
Alohaさおり自由が丘クリニック 藤堂紗織先生
肌が綺麗な人はしっかり洗っている
___藤堂先生ご自身が、美容や健康のために気をつけていることを教えてください。
基本的なことになりますが、肌を擦らないことと、しっかり洗い流すことですね。
クレンジングや洗顔料を水で洗い流すときに、30〜40回はすすぐようにしています。多く感じるかもしれませんが、生え際までちゃんと洗おうとすると、そのくらいの回数が必要なんです。
クリニックに来られる患者様で肌が綺麗な方は、みなさん落とすケアをしっかりされていていますね。
___乾燥肌の人は、洗いすぎることを恐れて落とすケアに慎重になっているように感じますが、どのように向き合っていけば良いのでしょうか?
乾燥肌の方でも、落とすケアは必要です。洗うことに対して恐怖心を持たず、洗った後に乾燥するようであれば、しっかり保湿をしていただきたいですね。
乾燥肌の方は、朝のスキンケアで洗顔料を使うか迷うこともあると思いますが、基本的には使っていただいていいと思います。洗浄力が高すぎないものを選んで、よく泡立てたもので洗って十分に水で洗い流し、しっかり保湿すれば問題ありません。
あとは、タオルで水気を拭くときに擦ってしまう人もいるので、押さえるように水気を取ることが大切です。
___しっかり洗い流して、しっかり保湿することが大事なんですね。
そうですね。ただ、どんなに丁寧にクレンジングをしていても汚れは溜まってきてしまうので、定期的にピーリングを取り入れることをおすすめしています。
ホームケアでは、グリコール酸などの角質ケア成分が配合されたピーリング(石鹸やクリームなど)を使うといいですね。乾燥肌向けのものもあるので、肌にあったものを使ってみてください。家でやるのが難しいなら、クリニックで一度診てもらい、相談するのが良いと思います。
___藤堂先生が飲んでいる内服薬やサプリメントを教えてください。
ビタミンC・Dを摂るようにしていて、冬は「Lypo-C C+D」を1日2本、夏は「Lypo-C」「Lypo-C C+D」を1日1本ずつ飲んでいます。
ビタミンDは紫外線を浴びないと体内で生成されません。ビタミンDは魚などにも含まれていますが、微量であるため食事だけで補うのは難しいのです。
冬は紫外線量が少なく特に作られにくいので、積極的に摂るようにしています。女性は骨粗鬆症のリスクが高いため、今から飲んでおくことが大切ですよ。
大人の肌荒れを防ぐスキンケア&インナーケア
___Alohaさおり自由が丘クリニックの患者様は、どういった肌悩みを抱えている方が多いのでしょうか?
子どもはニキビ、大人は酒さや赤ら顔、湿疹やかゆみなどの肌荒れで来院する方が多いですね。
___昔は肌が荒れなかったのに、大人になってから肌荒れするようになったという人も結構いるような気がします。原因としてはどういったことが考えられますか?
昔よりも日光が強くなったことが影響しているように感じます。昔と今では温度差がありますし、紫外線の量や強さも変わってきているので、昔と同じように過ごしていてはいけないと思います。
___時代とともにケアも変化していく必要がありますね。紫外線対策はもちろんですが、それ以外にも、夏のケアで気をつけた方が良いことはありますか?
紫外線は、シミやしわ・たるみの原因になるだけでなく、乾燥も招いてしまいます。汗をかいているとわかりにくいですが、夏でも乾燥を防ぐために保湿することが重要ですね。
夏になると、体も顔も保湿しない人が結構いらっしゃるんです。さっぱりしたテクスチャーのものに変えても良いので、1年中保湿してほしいとお伝えしています。
___インナーケアで気をつけることはありますか?
水分はしっかりとった方がいいですね。やはり体の中の水分量が減ると肌の乾燥にもつながるので、毎日1〜1.5Lは飲んでいただきたいです。
また、ダイエットで油を断つ人は肌も荒れてしまいます。オリーブオイル1杯でもいいので、毎日体に良いオイルを摂り入れてほしいですね。
肌に少し刺激を加えるようなケアをコツコツと
___続いて、藤堂先生が注目している施術はありますか?
今はいろいろな施術があり、ハイテクな機材もたくさんありますが、本当に肌が綺麗な方は光治療(IPL)とピーリングをずっと継続してやっている印象があります。スペシャルな最新医療を受けなくても、こういった少し肌に負荷を与えるくらいの美容医療を積み重ねることが大事ですね。
美容医療初心者の方や、ダウンタイムのない治療を望む人、今よりもちょっと綺麗になりたいと思う人には、光治療(IPL)がおすすめです。
最初から刺激が強いものを受けてしまうと、値段も高いし痛みもあって、やる気もなくなってしまうと思うので…。
___30代以降は、光治療(IPL)はどういったものを取り入れるべきでしょうか?
光治療(IPL)にもさまざまな機材がありますが、当院ではICONを使っています。光治療とレーザーのいいとこどりといわれていて、他の光治療に比べるとゴムを弾くような痛みをやや感じやすいですが、レーザーほどの痛みはありません。
また、ICONは肝斑を悪化させないので、肝斑がある方でも安全にシミを除去できます。
光治療はコラーゲンの再生を促してくれるので、肌質も改善できます。シミと肝斑に悩んでいる人が肌を綺麗にしたいなら、ICONでの光治療と飲み薬での治療がおすすめです。
___光治療と飲み薬の治療は、どのタイミングで始めると良いのでしょうか?
できれば事前に2〜3ヶ月ほどトラネキサム酸を飲んでおいて、光治療やレーザーをやった方が良いと思いますが、一緒に始めても問題ありません。
___シミの治療は紫外線が当たらない時期の方が良いと聞いたのですが、ICONは夏でも治療できますか?
レーザーに対しての考え方は医師によって異なります。当院の場合、初めて治療する人にはおすすめしていません。
レーザーの治療中は日焼け止めをしっかり塗る必要がありますが、塗っているようで意外と塗れていない人が多いんです。正しい量をきちんと塗り続けて、2〜3時間おきに塗り直しができて、内服薬も継続できるような人であれば、夏でもやってもいいと思いますよ。
困ったときに気軽に頼ってもらえるような存在でありたい
___藤堂先生が医師を目指したきっかけや理由を教えてください。
幼稚園の頃からずっと医者になりたいと思っていました。曽祖父が糖尿病で、透析をしていて、失明してしまったのを見ていたので、「おじいちゃんの目を治したい、糖尿病を治してあげたい」と思ったのがきっかけです。
医師の道に進んでからは、いろいろなことが重なり、結果的に腎臓内科の医師として働くことになったのですが、そこで透析をしている患者さんの皮膚の治療を行っていたこともあり、当院を開業するときに皮膚科を標榜することにしました。
また友人から、美容皮膚科はハードルが高いので、内科で一緒に受診したいと言われたこともあり、美容皮膚科を標榜することにしました。
皮膚科専門医ではありませんが、勉強を続けて、引き出しをたくさん作っておきたいと思っています。合わない治療があったとしても、「こんな方法もあるよ」とできるだけ多く提案できれば、患者様も落ち込むことなく治療に向き合えると思うので。
___最後に、クリニックに通う患者様にとって、どのような存在でありたいですか?
私の場合は、内科・皮膚科・美容皮膚科と診ているので、患者様が何かあったときに相談できる場所でありたいなと思っています。
実際に患者様からも「ここに来るだけで安心する」と言っていただけることが多く、これが私のやりたかったことだなと実感しています。
かかりつけ医として、困ったときに気軽に頼ってもらえたらうれしいですね。患者様がなりたい姿に近づけるような提案をできたらと思っています。
Alohaさおり自由が丘クリニック
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