2008年高知医科大学医学部卒業。初期研修後都内の大学病院麻酔科入局。
その後、整形外科へ転科。2015年から医療×ITのスタートアップに参画し医療監修を務める。医療×IT分野の執筆多数。 医療×ITを美容医療に導入するべくANS.の立ち上げに参画。ANS.クリニック院長。
この記事を読んでいるあなたは、
- 肝斑やシミは消せるのか
- どうして肝斑ができるのか
- 顔にあるのはシミ?それとも肝斑?
上記のように考えているかもしれません。
この記事では「肝斑と似た肌悩みの解明やそれぞれの特徴と対処法」を伝えていきます。
肝斑やシミなどの肌悩みがある人は、ぜひこの記事をシミ治療の参考にしてください。
肝斑と似た他の肌悩みの共通点とは?
肝斑と似た肌悩みとしてあげられるのがシミ(老人性色素斑)やそばかすで、共通点は「黒褐色や茶色の色素沈着が皮膚表面に出現する点」です。
色素沈着の原因は、疾患の種類によってさまざまですが、ほとんどは紫外線や加齢によるものと考えられています。
専門家でない限り、シミの種類を見た目で判断するのは困難なので、色素沈着はすべてシミと捉えられることが多いでしょう。
肌の悩みを解明することの重要性
肝斑やシミ、そばかすなどの肌悩みの種類を解明することで、適切な対処方法がわかります。
反対に、色素沈着すべてを同じ肌悩みとして対処してしまうと、いくらアプローチしても、改善には向かいません。
例えば、肝斑とシミができる原因は大きく異なるため、間違ったケアや対処をしてしまうと効果がないだけでなく、時間の経過で悪化する可能性もあります。
色素沈着に効果的な内服薬や外用薬は、ドラッグストアや海外のショッピングサイトで簡単に購入できます。
しかし、自分に合っていない薬を使うことで、肌荒れを引き起こして副作用が起こる可能性や、そもそもの安全性などの心配もあります。
短期間で肌悩みを解決したいのであれば、肌悩みの種類や原因を解明し、適切に対処すべきといえるでしょう。
肝斑の基本的な特徴
肝斑の特徴
肝斑は、頬の骨に沿って、目尻の下あたりに左右対称に現れるのが特徴です。
左右対称というのがポイントで、左右の同じ場所に同じようなシミが広がっていると、肝斑である可能性が高いといえます。
また、一般的なシミは、輪郭がくっきりしていることが多いのですが、肝斑は境目がぼやけてはっきりしない形に見えます。
しかし、肝斑は鼻の下や口の周り、こめかみやおでこなどにもできるので、シミ(老人性色素斑)との正確な区別は困難な場合もあります。
30代から50代の女性に多いシミといわれていますが、男性にも現れることはあり、特徴は同じです。
肝斑ができる主な原因
肝斑ができる主な原因は、女性ホルモンのバランスの乱れといわれていますが、原因がはっきりとはわかっていません。
しかし、30代から50代の女性にできやすく、50代以降の発生率は低下していくため、女性ホルモンのバランスの乱れがかかわっているのではないかと考えられています。
特に、出産後に増えたり、ピルの服用で悪化する場合があるので、女性ホルモンとは密接に関わっているといえるでしょう。
また、女性ホルモンだけでなく、紫外線や化粧・洗顔時のこすり過ぎなどの外部刺激も、肝斑の原因に関係すると考えられています。
このため男性にも肝斑が見られることがあるのです。
一般的な肝斑の治療法
肝斑の治療は、一般的にはトラネキサム酸などの、色素沈着を抑制する効果のある内服薬が使用されます。
また、肝斑の状態によっては他の薬を用いたり、美白効果のある内服薬と併用したりする場合もあるでしょう。
さらに、内服薬と外用薬を使用して、内側と外側から治療をおこなう場合があり、有効成分を確実に届けられるメリットがあります。
レーザー治療も選択肢の1つですが、肝斑だけでなく他のシミも存在する場合は悪化する可能性もあるので、治療前には医師の診断を受けましょう。
肝斑と似た肌の悩み
シミ(老人性色素斑/日光性色素斑)
シミと肝斑との違い
前述した通り、肝斑は左右対称にはっきりしない形で現れますが、シミは輪郭がはっきりしていて左右対称ではありません。
色は褐色や茶色で形もバラバラ、大きさもまばらで、中には表面にざらつきがあるものも存在します。
シミは老人性という名前ですが年齢問わず出現し、早い人では20代でもできます。
シミの原因
シミができる原因は主に紫外線で、皮膚に紫外線が当たってメラニンという黒い色素が生成されることで、色素沈着として肌に現れます。
通常、生成されたメラニンは、肌のターンオーバーによって排出されて、垢として剥がれ落ちます。
しかし、メラニンが過剰に生成されたり、ターンオーバーが乱れている場合はうまく排出できず、シミとして肌表面に残ってしまうのです。
年齢が若ければ若いほどシミにならずに排出されますが、加齢によって、年々肌表面に蓄積しやすくなる傾向にあります。
シミの対処法
対処法としては、極力肌に紫外線を浴びないことで、日焼け止めや日傘などを使用して紫外線を避けましょう。
1日中室内で過ごす場合でも、紫外線は容赦無く降り注ぐので、日焼け止めだけは欠かさず使用することをおすすめします。
しかし、紫外線対策を完璧にした場合でも、外に出ると多少は紫外線の影響をうけるため、シミができてしまうこともあるでしょう。
できたシミは、美容皮膚科や皮膚科にて、レーザーや処方薬などで治療ができます。
そばかす(雀卵斑)
そばかすと肝斑との違い
そばかすは、薄い茶色の細かい斑点状のシミが、鼻を中心に直線上に広がる特徴があります。
日本人では色白の人や、思春期に増える特徴があり、色素の薄い欧米人に多くみられます。
肝斑とそばかすは、できやすい時期や色や形が違うので、混同されづらいシミではあります。
しかし、そばかすと肝斑の両方が肌に存在する場合、治療は複雑になります。
そばかすは、早ければ幼少期からみられ、夏は色が濃くなり、冬になると色が薄くなる傾向にあります。
そばかすの原因
そばかすができる原因は、遺伝であると考えられているため、両親のどちらかにそばかすが多ければそばかすができやすくなる傾向にあります。
そばかすの元であるメラニンには、ユーメラニンとフェオメラニンという、2種類のメラニンがあります。
ユーメラニンは「黒色メラニン」で、フェオメラニンは「黄色から赤色メラニン」ですが、この2つのメラニンの含有量で肌や髪の色味が決まります。
そして、フェオメラニンの含有量が多い人は、色白でそばかすができやすい体質であり、このメラニンの含有量は遺伝が大きく影響しているのです。
そばかすの対処法
そばかすは遺伝でできる場合が多いので、予防することは困難ですが、紫外線による影響もあるため対策は続けましょう。
また、食事やサプリメント、スキンケアの見直しなどでも多少の変化は期待できるでしょう。
しかし、そばかすへ効果的に対処するには、美容皮膚科や皮膚科でレーザーや処方薬を用いた治療を受けることをおすすめします。
そばかすは思春期に増えることが多いので、自然に薄くなっていくケースもありますが、気になる場合はまずは医療機関に相談しましょう。
色素沈着
色素沈着と肝斑との違い
色素沈着とは、ニキビや虫刺されなどによって肌に炎症が起きた後にできるシミで、肝斑はホルモンバランスなどが原因でできるシミです。
肝斑は、ニキビや湿疹などが直接的な原因でないため、炎症後の色素沈着とは別物であると考えられています。
色素沈着の原因
色素沈着は、炎症や刺激によって、メラニン色素が皮膚に残ることで起きます。
色素沈着の原因はさまざまで、特徴もそれぞれ異なるので、見分けが難しいシミでもあります。
通常は、ニキビやケガによって炎症が起きても、肌のターンオーバーによって徐々に目立たなくなります。
しかし、症状が悪化した場合や、ターンオーバーがうまくいかなかった場合は、色素沈着として残ってしまうのです。
ムダ毛処理を続けたワキなどの毛穴の黒ずみや、下着の締め付けによる黒ずみも、色素沈着に分類されます。
色素沈着の対処法
色素沈着は、原因がさまざまなので、対処法はその原因によって変わります。
しかし、紫外線対策はどんな色素沈着でも必須で、この対策によって色素沈着の程度が決まるほどです。
色素沈着は、炎症や刺激によってメラニンが大量に生成され、シミとして残ることでできます。
紫外線対策をしておけば、メラニンの生成を予防できるため、色素沈着になりにくいといえるでしょう。
また、色素沈着を残さないためには、ターンオーバーを促すことも重要なポイントです。
生活習慣の改善とともに、処方薬や有効成分配合のスキンケアアイテムを用いて、ターンオーバーを促しましょう。
紫外線が肌に与えるダメージと対処法
紫外線による肌へのダメージとは
肝斑やシミ、そばかすなど、色素が原因となる肌トラブルのすべてに「紫外線」が大きく影響しています。
地上に届く紫外線は主に、UV-AとUV-Bがあり、肌に与えるダメージが異なるのです。
UV-Aが肌に当たることで、メラノサイトが刺激されてメラニンが生成され、肌が黒くなります。
また、肌の奥深くの真皮まで到達するので、シワやたるみなどの光老化も引き起こしてしまうのです。
一方、UV-Bが肌に当たると、肌が炎症を起こして赤くなり、やけどのような状態になります。
UV-Bは、皮膚表面の表皮に作用し、肌表面に炎症を引き起こすため、シミやそばかすなどの原因となります。
紫外線で肌にダメージを受けないために
紫外線を防止し、肌にダメージを残さないためには、やはり日焼け止めが必須です。
日焼け止めには、SPFとPAという表示がありますが、SPFがUV-Bを防ぐ力で、PAがUV-Aを防ぐ力を表しています。
SPFは数値が高い方が防御力は高く、PAは+が多ければ多いほど防御力が強いのですが、防御力が高いもののほうが肌への負担も大きくなる傾向があり、シーンによって使い分けることが推奨されます。
しかし、日焼け止めも時間が経てば落ちてしまいますし完璧に紫外線を防げるとはいえないので、日傘や帽子などとの併用がおすすめです。
また、紫外線対策と同時に、美白有効成分を取り入れて、メラニンの生成を抑えることも重要です。
紫外線の肌ダメージを防ぐためには、外側と内側から、同時にアプローチすることが大切といえるでしょう。
正しい識別と対処の重要性
それぞれの肌の悩みの識別の重要性
これまで解説してきたシミや肝斑などは、それぞれできる原因が異なるため、対処法も違います。
そのため、現時点である肌悩みが何であるか識別し、原因を探ることは効果的かつ短い期間で肌悩みが解決できる方法といえます。
また、そもそもシミでなく、イボやガンである可能性もないとはいえません。
肌悩みは、素人には判断できない場合も多いので、まずは今ある肌悩みが何であるかを知ることが重要です。
誤った治療のリスク
自己判断で、シミに対処していると、肌悩みが一向に改善しない可能性があります。
改善しないだけならまだしも、場合によっては肌悩みが悪化し、治療で解決できなくなることもあるのです。
また、最近は、処方薬と同じような成分の薬も、海外のサイトから購入できます。
運がよければシミが消えることもありますが、副作用によって他の肌悩みに変化する危険性もあります。
専門家による診断の推奨
肝斑やシミなどの肌悩みは、素人には判断が難しいため、一度専門家に診断してもらうことをおすすめします。
誤った治療のリスクでも伝えた通り、肌悩みが解決できず、最悪の場合は悪化する可能性も
考えられます。
また、専門家に相談することは、肌悩みが早く短期間で解決でき、時間と費用も削減できるというメリットもあるのです。
長い期間悩んでいる人は「もっと早く治療を開始すればよかった」と思えるかもしれないので、ぜひ一度専門家に相談してみてください。
肝斑と似た肌悩みの正しい理解と対処の重要性
この記事では、シミには種類があり、それぞれできる原因も違い、対処法も異なるということをお伝えしました。
誤った判断をし、自己流で対処してしまうと、肌悩みが長引きます。
それだけでなく、最悪の場合は悪化し、新たな肌悩みを引き起こしてしまう可能性もあるのです。
まずは皮膚科や美容皮膚科などの専門機関に相談し、自分の今の肌悩みがどんな状態であるかを診断してもらいましょう。
その上で、最適な治療法を選択したり、対処法を見つけたりしていくことをおすすめします。
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