2008年高知医科大学医学部卒業。初期研修後都内の大学病院麻酔科入局。
その後、整形外科へ転科。2015年から医療×ITのスタートアップに参画し医療監修を務める。医療×IT分野の執筆多数。 医療×ITを美容医療に導入するべくANS.の立ち上げに参画。ANS.クリニック院長。
- シミに効く飲み薬でどれが自分に合っている?
- 市販薬でも効果は同じ?
この記事を読むあなたは、そう悩んでいるかもしれません。
シミ用の飲み薬は種類が多く、シミの種類や原因に合った薬を選ぶと、効率よくシミ治療ができます。
本記事では、シミの種類別におすすめの飲み薬を紹介しています。処方薬と市販薬の違いや、薬の選び方も解説しているので、シミに効く飲み薬を探している方はぜひご覧ください。
シミに効く飲み薬はある?
ビタミンCやシナールなど、シミを薄くする作用が期待できる飲み薬は存在します。市販薬や処方薬として入手できます。
シミ用の飲み薬は、抗酸化作用やターンオーバー促進作用で、メラニン色素の生成を抑制することでシミの予防や改善が見込めます。
ただし、シミ治療は1~2回摂取するだけで劇的な効果は期待できません。むしろ、継続的に摂取することが必要です。
シミ対策の飲み薬を使用する際には、即効性を期待せずに長期目線で取り組みましょう。
一人ひとりの体質や生活習慣によって効果の現れ方には差があるため、自分に合った方法での使用がポイントです。
市販薬と処方薬の違い
シミ用の飲み薬を選ぶ際は、市販薬と処方薬の違いについて理解しておきましょう。
市販薬は、ドラッグストアやECサイトで一般に販売されています。誰でも簡単に入手できるため、利便性が高いことがメリットです。
多くの人がリスクなく使用できるよう、市販薬に含まれる有効成分の濃度は比較的低く設定されています。そのため副作用や健康被害の不安が少なく服用できます。
一方、成分の配合濃度が処方薬よりも低い傾向にあるため、効果が穏やかで、目に見える効果を感じにくい点がデメリットです。
処方薬は、医師が診断し処方箋を発行しなければ入手できません。
しかし、処方薬には厚生労働省などの機関から効果が認められた高濃度の有効成分が含まれているので、効果をより実感しやすい傾向があります。
市販薬と処方薬の選択は、使用目的によって異なります。日常的なケアや予防を目的とする場合には市販薬で十分でしょう。
一方、効果を追求したい場合や、特定の肌トラブルに対処したい場合には処方薬がおすすめです。医師のアドバイスを受けることで安全かつ効果的な服用が可能です。
シミの治療には処方薬がおすすめ
既存のシミを薄くするためには、処方薬がおすすめです。厚生労働省から効果と安全性が認められた薬を、医師の指導のもとに服用できるためです。
医師が肌の状態やシミの原因を診断するため、適切な薬を選ぶことが可能です。また、副作用のリスクがある薬も、医師と伴走すれば休薬期間を含めて比較的安全性を確保しながら使用できるでしょう。
シミにピンポイントでアプローチできる外用薬(塗り薬)と、体の中からシミにアプローチする内服薬を併用すると、より効率よくシミ治療ができますよ。
シミへの効果が期待できる!皮膚科でもらえる医薬品3選
シミに有効な飲み薬には、たとえば以下の内服薬があります。
- シナール
- トラネキサム酸
- ユベラ
それぞれの作用を、詳しく解説します。
シナール
効果 | 炎症後の色素沈着のビタミン類の補給 壊血病などの予防や治療 |
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副作用 | 胃不快感、吐き気、嘔吐、下痢等 |
シナールは、シミやそばかすなど肌トラブルの改善や美肌効果が期待できる複合ビタミン剤です。主成分はビタミンC(アスコルビン酸)とパントテン酸です。
アスコルビン酸は、シミの原因となるメラニン色素の生成を抑制し、既存のシミを薄くする働きがあります。
パントテン酸は、アスコルビン酸の働きをサポートし、肌のバリア機能を維持します。
クリニックで処方される場合と市販されている医薬品とで成分量が異なることがあり、クリニック処方は、特にシミやそばかすを本格的に改善したい方におすすめです。
トラネキサム酸
効果 | シミや肝斑の改善による美白効果 のどの痛みや口内炎など炎症を抑える効果 生理や怪我による出血を止血する効果 |
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副作用 | 食欲不振、悪心、嘔吐、胸やけ、眠気、そう痒感、発疹など |
トラネキサム酸は、人工的に生成されたアミノ酸です。止血薬や抗炎症薬として使用されていました。2002年に厚生労働省が、シミ(肝斑)への作用を認めてから、美容目的にも多く処方されるようになりました。
メラニンの生成を抑制し、シミやそばかすの改善に効果が期待できます。特に肝斑の治療に使われる飲み薬です。
飲み薬だけでなく、化粧品にも配合されてシミ治療の成分として用途が広がっています。
ユベラ
効果 | 血行促進によるシミ・肝斑・ニキビ跡の改善 抗酸化作用によるシワ・たるみ・シミの改善 |
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副作用 | ユベラは、トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)を主成分とするビタミン剤です。 |
ユベラは、以下の美肌効果が期待できます。
作用 | 美肌への効果 |
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抗酸化作用 | 活性酸素を消去し、細胞の酸化を抑えることで、肌の老化やダメージを防ぎ、シミやシワ、たるみを予防・改善 |
血流改善 | 血行を促進し、皮膚への栄養供給をサポート |
ホルモンバランスの調整 | ホルモンバランスの乱れによる肌荒れを予防 |
ビタミンCは、ビタミンEの活性化をサポートします。そのため、ユベラとビタミンCを併用すると、相乗効果が見込めるでしょう。
【症状別】シミの飲み薬を選ぶ際のポイント
シミの飲み薬は、シミの原因によっても適した薬が異なります。シミの種類別に、飲み薬の選び方を解説します。
- 肝斑にはトラネキサム酸
- 老人性色素斑にはハイチオール・ビタミンC
- そばかすにはビタミンC・ユベラ(ビタミンE)
- ニキビ跡や傷跡のシミにはシナール(ビタミンCとビタミンB5)
肝斑には「トラネキサム酸」
肝斑の治療法として注目されるのが「トラネキサム酸」です。メラニンの発生を抑える作用があるので、ホルモンバランスが原因の肝斑にも効果が期待できます。
肌のターンオーバーに作用しないため、皮膚の再生サイクルを変えることなく、メラニンの生成そのものをブロックできる点が特徴です。
メラニンに直接作用するため、ホルモンの影響を受けにくく、ホルモンバランスが原因の肝斑に向いている飲み薬です。
老人性色素斑には「ハイチオール」「ビタミンC」
老人性色素斑には、活性酸素抑制や抗酸化作用のある「ハイチオール」や「ビタミンC」がおすすめです。
活性酸素は紫外線やストレスなどの影響で生成される成分で、体内を酸化させて肌の老化や色素沈着の原因となります。
抗酸化作用は、活性酸素を中和し、皮膚の酸化ストレスを軽減する効果が期待できます。紫外線によるダメージやストレスから肌を保護するため、老人性色素斑の予防に有効です。
また、ハイチオールは、ターンオーバーを促進するので、メラニンの排出も促されるでしょう。
そばかすには「ビタミンC」「ユベラ(ビタミンE)」
そばかすには、抗酸化作用やバリア機能を強化する「ビタミンC」「ユベラ(ビタミンE)」がおすすめです。
そばかすは、遺伝的要因が強いといわれていますが、紫外線の影響で濃くなる性質があります。
ビタミンCで肌の活性酸素を中和して、紫外線やストレスからのダメージを軽減しましょう。
また、ビタミンEは肌のバリア機能を強化し、外部からの刺激や環境ストレスから肌を守る効果が期待できます。
ニキビ跡や傷跡のシミには「シナール(ビタミンCとビタミンB5)」
ニキビ跡や傷跡からの色素沈着が気になる方には、「シナール」が有効です。シナールはビタミンCとビタミンB5を主成分とした複合ビタミン剤なので、肌の健康を促進し、色素沈着の改善が期待できます。
ビタミンCはメラニンの生成を抑制し、既存のシミや色素沈着を薄くする効果が期待できます。また、肌のターンオーバーを促進するため、色素沈着のない肌の再生効果が見込めるでしょう。
ビタミンB5は様々な代謝に関わります。ビタミンCの働きを支援し、色素沈着の改善が期待できます。
シミの飲み薬は、種類や体質に合わせて選ぶことが大切!
シミの悩みは多くの人が抱える肌トラブルの一つです。しかし、シミには複数の種類があり、自己判断で選んだ飲み薬が期待した効果を発揮しないことも少なくありません。
効果的な治療を行うためには、シミの種類や一人ひとりの体質に合わせた薬選びが大切です。
シミの種類を自己判断するのは難しく、複数の種類のシミが混在している場合もあります。自己判断で薬を選ぶと、期待した効果が得られないばかりか、シミが悪化する可能性もあります。
皮膚科を受診すると、医師が専門的な視点からシミの種類を判断し、シミの種類に合った治療法を提案してくれますよ。
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ANS.のオンライン肌診断は、専門の医師が一人ひとりの肌の状態を詳細に診断し、適したシミ治療薬を処方します。
決まった組み合わせや単品での処方だけでなく、それぞれのシミに合った複数の薬や、相乗効果が期待できる組み合わせをオーダーメイドで処方できることが特徴です。
ANS.の治療薬を使ってシミ治療をした症例紹介
飲み薬でシミをケアする際の注意点
飲み薬を服用する際には、以下の2点に気を付けましょう。
- 一定期間飲み続ける
- 他の薬との併用に気を付ける
一定期間飲み続ける
ターンオーバーに合わせて徐々に肌が変化していくため、1ヶ月は飲み続けて様子を見ましょう。
シミの原因となるメラニンは、肌の深部で生成され、ターンオーバーによって徐々に表面に現れます。このサイクルは平均約28日から遅くても42日です。飲み薬の効果を実感するには、この期間を通して継続的に服用する必要があります。
また、飲み薬は体内で成分が吸収され、効果を発揮するまでに時間がかかります。有効成分が、体内で蓄積され、肌表面に効果が表れるには最低1ヶ月ほどかかるでしょう。
そのため、1~2回の服用でシミが薄くなることは期待できず、数週間から数ヶ月間の継続服用が必要です。まずは3ヶ月続けるつもりで始めるのがよいでしょう。
他の薬との併用に気を付ける
シミ治療の薬を服用する際には、他の薬やサプリメントとの相互作用に注意が必要です。
効果が半減したり、健康被害を引き起こす可能性があります。
たとえば、ビタミンCと亜鉛サプリメントを併用すると、亜鉛の吸収率が増加します。
ほかにも、トラネキサム酸と経口避妊薬は、どちらにも血栓リスクがあるため、併用するとリスクが増加するので注意が必要です。
自己判断で薬やサプリメントを組み合わせるのではなく、医師や薬剤師に相談して安全にシミ治療を進めましょう。
まとめ シミ用の飲み薬を選ぶならANS.のオンライン肌診断がおすすめ
シミ治療には、市販薬や処方薬など様々な選択肢がありますが、自己判断で選ぶことは効果が得られないだけでなく、副作用のリスクも伴います。シミの種類や原因は多岐にわたり、一つのシミに対する治療法が他のシミには適さない場合もあります。
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