2008年高知医科大学医学部卒業。初期研修後都内の大学病院麻酔科入局。
その後、整形外科へ転科。2015年から医療×ITのスタートアップに参画し医療監修を務める。医療×IT分野の執筆多数。 医療×ITを美容医療に導入するべくANS.の立ち上げに参画。ANS.クリニック院長。
- 目の下のシミを消す方法はある?
- 最近、目の下にシミができてきて、化粧ではカバーしきれないので何とかしたい
この記事を読むあなたは、そう悩んでいるかもしれません。
結論、目の下のシミも、ほかの場所にできるシミと同様にシミの種類や原因を知り、予防法を実践することで、目立たなくすることが可能です。しかし目の下の皮膚はデリケートなので、繊細な治療が求められます。
この記事では、目の下にできるシミの種類、原因、予防法について詳しく解説しています。
シミでお悩みの方や予防に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
目の下にできるシミの種類
目の下にできるシミは、主に5種類あります。
- 老人性色素斑
- 肝斑(かんぱん)
- そばかす
- ADM
- 茶クマ
それぞれのシミの特徴を解説します。
老人性色素斑
老人性色素斑は、主に30歳以降の男女に見られる、淡褐色から茶褐色の斑点です。
大きさや形はまばらで、紫外線が主な原因です。加齢とともに増加し、肌のターンオーバーが遅くなることで色素が沈着しやすくなるのです。
予防には日常的な紫外線対策が必須で、既に生じた色素斑に対しては、レーザー治療やピーリング、処方薬などの医療的処置が有効です。
肝斑(かんぱん)
肝斑は、頬や目の下に広がるモヤモヤとしたシミで、30代以降の女性に多く見られます。ホルモンバランスの変化や紫外線が主な原因とされ、妊娠中や出産後に現れることもあります。
肝斑は他のシミと比べて面積が広く、境界がはっきりしないことが特徴です。治療は内服薬や外用薬が中心となります。
そばかす(雀卵斑)
そばかすは、幼少期から見られる淡褐色の小さな斑点で、顔や体に広がります。
遺伝的要因が強く、紫外線に反応して増加する傾向があります。顔の中では頬や鼻の部分に加えて、目の下にもできることがあります。
完全な除去は難しいですが、紫外線対策や皮膚科の治療により、濃くなるのを防ぐことや、薄く目立たなくすることは可能です。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
ADMは、20歳以降に見られ、淡紫色から灰褐色の点状のシミが目の下に現れる疾患です。左右対称にできることが多く、遺伝的要因や環境要因が関与していると考えられています。
他のシミと異なり、真皮層深くにメラニンが沈着するため、一般的な美白化粧品では効果が出にくいことが特徴です。レーザー治療が効果的ですが、専門医による適切な診断と治療が必要です。
茶クマ
茶クマは、目の下が茶色や褐色に見える色素沈着で、目をこすることや摩擦による刺激が主な原因です。
アレルギーや疲労で目をこすりがちな人や、メイクの際に目元を強くこする習慣がある人に多く見られます。
予防には目をこすらない習慣づけと、優しいメイクオフが基本です。既に生じた茶クマに対しては、ビタミンCやトラネキサム酸を含む医薬品の使用が有効で、レーザー治療のような美容施術による治療も可能です。
目の下にシミができやすい人の特徴
目の下にシミができやすい人には、共通点があります。
- 紫外線を浴びている人
- 目の下をこすったりメイクをする人
紹介する2つの習慣をしないように気を付けることで、目の下のシミ予防につながります。
紫外線を浴びている人
目の周りの皮膚は非常に薄く、紫外線の影響を受けやすいため、長時間日光にさらされるとメラニン色素が過剰に生成され、シミができやすくなります。
特に夏場や屋外活動が多い人は注意が必要です。日焼け止めを目の周りまでしっかりと塗ること、サングラスや帽子を着用することで、紫外線から目元を守ることが可能です。また、日中の外出を控えめにするなど、生活習慣の見直しも検討しましょう。
目の下をこすったりメイクをする人
目の下の皮膚を強くこすったり、アイメイクを落とす際に摩擦を加えると、肌がダメージを受け、メラニンが生成されやすくなります。
特に、目が疲れたときに無意識に目をこすってしまう人や、強いクレンジング剤を使用する人は要注意です。優しくメイクを落とし、目元専用のクリームを使用するなど、丁寧なケアを心がけましょう。
また、目の疲れを感じたら、こすらずにクールダウンするなどの工夫も大切です。
目の下にシミができる原因
目の下にシミができる主な原因には、主に以下の4つが挙げられます。
- 紫外線やブルーライトの光
- アイメイクやマッサージによる摩擦
- 加齢による肌の衰え
- ホルモンバランスの乱れ
上記の要因が複合的に作用し、メラニン色素の過剰生成や沈着を引き起こします。
紫外線やブルーライトの光
目の周りの皮膚は非常に薄く、紫外線の影響を受けやすいです。紫外線は肌の深部まで届き、メラニン色素の生成を促進します。
また、最近ではブルーライトも注目されており、紫外線と同様に肌のメラニン生成を促進する可能性があるといわれています。そのためスマートフォンやパソコンの長時間使用にも留意しましょう。
適切な紫外線対策と、ブルーライトカットメガネの使用などが予防に有効です。
アイメイクやマッサージによる摩擦
目の下はアイメイクをする際や、マッサージを行う際に摩擦が生じやすい部位です。摩擦が加わることで、肌がダメージを受け、メラニンが生成されやすくなります。
特に、強くこすったり、同じ箇所を何度も往復させたりすることは避けましょう。メイクの際は優しく塗布し、クレンジングも丁寧に肌に滑らせます。
また、マッサージは軽い力で行い、目の周りの皮膚に過度な負担をかけないよう注意が必要です。
加齢による肌の衰え
加齢は自然なプロセスですが、日常的なケアを怠ると、シミの発生が加速します。
年齢を重ねることで、肌のターンオーバーが遅くなり、メラニン色素が排出されにくくなるためです。
また、コラーゲンやエラスチンの減少により、肌のハリや弾力が失われ、肌全体がくすんでシミが目立ちやすくなります。正しいスキンケアや栄養バランスの良い食事、十分な睡眠など、総合的なケアを心がけましょう。
ホルモンバランスの乱れ
妊娠や生理周期、更年期など、ホルモンの変動がメラニン生成を促すことがあります。特に、目の下に現れる肝斑はホルモンバランスとの関係が深いことが知られています。
ホルモンバランスの乱れは、ストレスや不規則な生活習慣によっても引き起こされます。
規則正しい生活リズムを保ち、ストレス管理を行うことで、ホルモンバランスの安定化を図りましょう。
目の下のシミの予防
目の下のシミを予防するには、日常的なケアが必要です。
- メイクの摩擦に気を付ける
- 目をこすらない
- アイクリームを使う
- 日焼け止めを目の縁まで塗る
- 帽子やサングラスを使う
化粧品や美容治療だけに頼らず、日々の習慣に気を付けることでシミを予防しましょう。
メイクの摩擦に気を付ける
メイクの際は、ブラシや指でゴシゴシこすらないよう注意しましょう。また、何度も往復させることも避けてください。代わりに、優しく撫でるようにメイクすることがおすすめです。
クレンジングの際も同様に、優しく丁寧に撫でるように行いましょう。
お湯で顔を洗う際も、目の周りは特に気を付けて、軽くすすぐ程度にとどめます。シャワーの水圧も摩擦になるので、必ず手ですくった水ですすぎましょう。
こすらないケア方法を身につけることで、目の下の皮膚への負担を軽減し、シミの予防につながります。
目をこすらない
目の周りの摩擦を避けることは、シミ予防の重要なポイントです。
目がかゆいと感じたときや疲れたときは、手でこすらずに、冷たいタオルやアイマスクで冷やすなどして対処しましょう。
また、目の疲れを感じたら、目を閉じて軽く押さえるだけでも疲労軽減効果があります。
アレルギーなどで目がかゆくなりやすい場合は、医師に相談し、点眼薬などで対処することで、こすりたくなる原因そのものを改善するようにしましょう。
アイクリームを使う
目元専用のアイクリームを使用することで、乾燥を防ぎ、肌のバリア機能を高められます。
目の下の皮膚は薄いため、全顔用の保湿クリームでは効果が不十分な場合があります。
またアイクリームを選ぶ際は、薄いテクスチャーだと下に流れやすいので、硬めのテクスチャーで保湿力が高いものがおすすめです。
ビタミンCやE、コラーゲンなどの成分が含まれているものを選ぶと、より保湿効果が期待できます。
日焼け止めを目の縁まで塗る
日焼け止めは、顔全体に塗るだけでなく、目の縁まで丁寧に塗りのばします。
目の下の皮膚は薄く敏感なため、紫外線の影響を受けやすい部位です。シーンに応じた適切な強さの日焼け止めを選び、朝のスキンケアの最後に塗布しましょう。
また、屋外での活動が多い日は、2〜3時間おきに塗り直します。
目元に使うコンシーラーやコントロールカラーを、UVカット効果が含まれているアイテムに変えることもおすすめです。
帽子やサングラスを使う
外出時には、広いつばの帽子やUVカットのサングラスを着用することで、物理的に紫外線から目元を守ることが可能です。
帽子のつばは、広めのものを選びましょう。サングラスは、UVA・UVBをカットする機能があるものを選択してください。
また、サイドからの紫外線もカットできる大きめのデザインもおすすめです。
帽子やサングラスなどのアイテムを組み合わせることで、日焼け止めだけでは防ぎきれない紫外線からも目元を保護できます。
目の下のシミは処方薬での治療がおすすめ
目の下はデリケートな部位であり、無理な治療やスキンケアはシミが濃くなったりたるみが生じるリスクがあります。
そこで、シミ用の処方薬がおすすめです。内服薬であれば目の下の皮膚に直接負担をかけずに有効成分を届けられます。
医師の診断に基づいてシミに合った処方薬が使用でき、自分のシミの症状に合わせた治療が可能です。
また、医師の管理下で治療を行うことで、副作用のリスクを抑えつつ、シミ治療を継続できるでしょう。
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ANS.の治療薬を使ってシミ治療をした症例紹介
まとめ デリケートな目の下は皮膚科で正しく治療しよう
目の下のシミは、デリケートな部位だからこそ、専門的な診断と治療が大切です。
自己判断での過度なケアや市販品の使用は、逆効果になってしまうかもしれません。
皮膚科での正しい診断を受け、個々の症状に合わせた治療法を選択することが、安全性と効果を両立するシミ治療の鍵です。
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