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脇の多汗症とは?原発性腋窩多汗症の原因と治療法を詳しく解説


脇汗が止まらない…それ、『多汗症』かもしれません。

「緊張しているわけでもないのに、なぜか脇汗が止まらない…」
「シャツに汗ジミができてしまうから、着る服の色や素材を慎重に選ばなければならない」
「人前で腕を上げるのが恥ずかしくて、電車のつり革も掴めない」

このような脇汗の悩みを抱えている方は、決して珍しくありません。実は多汗症で悩む人は意外に多く、特に脇の多汗症(腋窩多汗症)は日常生活に大きな影響を与える症状として知られています。

単なる「汗っかき」だと思って我慢している方も多いのですが、日常生活に支障をきたすほどの発汗がある場合、それは医学的に「多汗症」と診断される可能性があります

多汗症は適切な治療によって改善が期待できる疾患です。まずは自分の症状について正しく理解することから始めましょう。

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多汗症とは?

多汗症とは?「この汗の量は普通じゃない」と感じたことはありませんか?どんな状態が多汗症なのか、症状について詳しく見ていきましょう。

多汗症は「汗のかきすぎ」が日常生活に支障をきたす状態のこと

多汗症とは、体温調節に必要な量を超えて過剰に汗をかく疾患です。

この過剰な発汗により、服に汗ジミができる、手が滑りやすくなる、人との握手を避けるようになるなど、仕事や人間関係において様々な制限が生じます。

単に「汗っかき」というレベルを超えて、日常生活の質を著しく低下させる状態を指します。

気温や運動に関係なく、過剰に汗が出るのが特徴

多汗症の最も重要な特徴は、外部環境や身体活動に関係なく汗が大量に分泌されることです。涼しい室内にいても、安静にしていても、汗が止まらないという症状が現れます。

健康な人なら気温が下がると自然に汗は引きますが、多汗症の場合は汗腺の調節機能がうまく働かず、常に活発な状態が続きます。

特に「脇汗」に悩む人は多く、原発性腋窩多汗症(げんぱつせい えきかたかんしょう)と呼ばれています

多汗症の中でも脇の下からの異常な発汗に悩む方は特に多く、「原発性腋窩多汗症(げんぱつせい えきかたかんしょう)」と呼ばれます。

脇汗は衣服への汗ジミが目立ちやすく、白いシャツやグレーの服を避けるようになったり、人との距離感に悩んだりと、日常生活への影響が大きいのが特徴です。

汗が出る仕組み

汗が出る仕組みそもそもなぜ汗は出るのでしょうか?そのメカニズムを解説します。

汗腺が体温調節の重要な役割を担っている

人間の体には「汗腺」という汗を作る器官があり、主に体温を調節する役割を果たしています。体温が上がると、脳の視床下部という部分が「体を冷やす必要がある」と判断し、汗腺に汗を出すよう指令を送ります。

汗が皮膚表面で蒸発する際に熱を奪うことで、体温を下げる仕組みになっています。これは人間が生きていくために欠かせない、自然な生理現象です。

汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類がある

汗を出す汗腺には、大きく分けて2つの種類があります。

エクリン腺

エクリン腺は全身に分布しており、主に体温調節のためのサラサラした汗を分泌します。手のひらや足の裏、額などに多く存在し、緊張した時にも活発に働きます。

アポクリン腺

アポクリン腺は脇の下や陰部など限られた部位にあり、粘り気のある汗を分泌します。この汗自体は無臭ですが、皮膚の細菌と混ざることで特有の臭いを発生させることがあります。

汗が出る仕組み

 多汗症では汗腺の働きが異常に活発になる

通常、汗腺は体温上昇や精神的緊張などの刺激に反応して適度に汗を分泌しますが、多汗症の場合はこの調節機能に異常が生じています

明確な刺激がないにも関わらず汗腺が過剰に反応したり、一度汗をかき始めると止まらなくなったりします。

特に脇の多汗症では、エクリン腺の活動が異常に高まることで、日常生活に支障をきたすほどの大量の汗が分泌されてしまうのです。

多汗症の種類は「原因」と「部位」で分類される

原因による分類

  • 原発性多汗症・・・原因が明確でない/体質・神経の反応によるもの
  • 続発性多汗症・・・疾患(甲状腺疾患・糖尿病など)や薬剤が原因で起こる

汗が出る場所による分類

  • 全身性多汗症・・・体全体に汗が多く出る(全身がびっしょりになることも)
  • 局所性多汗症・・・手・足・脇など、特定の部位に汗が集中して出る

複合パターン

  • 原発性全身多汗症・・・原因不明、全身に多汗
  • 原発性局所多汗症・・・原因不明、特定部位(手・足・脇など)に多汗
  • 続発性全身多汗症・・・疾患・薬が原因で、全身に多汗
  • 続発性局所多汗症・・・疾患・薬が原因で、特定部位に多汗

局所性多汗症は発汗部位によっても分類される

  • 腋窩(えきか)多汗症・・・脇の下(わき汗)※本記事の中心テーマ
  • 掌蹠(しょうせき)多汗症・・・手のひら+足の裏の両方
  • 手掌(しゅしょう)多汗症・・・手のひらのみ
  • 足蹠(そくせき)多汗症・・・足の裏のみ

多汗症の重症度はHDSSで自己チェックが可能

  • スコア1|まったく気付かない、邪魔にならない。
  • スコア2|我慢できる、たまに邪魔になる。
  • スコア3|どうにか耐えられる、しばしば邪魔になる。
  • スコア4|耐えがたい、いつも邪魔になる。

参照元:公益社団法人日本皮膚科学会

スコア3または4の方は重症とされ、医療機関での治療対象となります。自分なりに対策する人が多いですが、症状が重くなる前の受診がおすすめです。

多汗症の原因とは?

多汗症にはいくつかの原因が考えられますが、主に以下の2つが代表的です。

① 自律神経が過剰に反応している場合

多汗症の最も一般的な原因は、自律神経系の異常です。通常であれば適度に働く交感神経が、緊張やストレスなどの精神的な刺激に対して過剰に反応してしまい、必要以上の汗が分泌されます。

このタイプの多汗症では、リラックスしている時でも交感神経の活動が高まりやすく、ちょっとした刺激でも大量の汗をかいてしまう傾向があります。

特に人前に出る場面や重要な会議などで症状が悪化することが多く見られます。

② 汗腺が刺激に敏感になっている場合

もう一つの原因として、汗腺そのものが刺激に対して敏感になっているケースがあります。汗の分泌を促すアセチルコリンという神経伝達物質に対して、汗腺が通常よりも強く反応してしまう状態です。

この場合、少量のアセチルコリンの刺激でも大量の汗が分泌されるため、軽微な刺激に対しても過剰な発汗が起こります。

遺伝的な要因が関与している可能性も指摘されており、家族内で多汗症の方が複数いる場合は、この原因が考えられます。

原発性腋窩多汗症セルフチェック

原発性腋窩多汗症セルフチェック以下の項目のうち2つ以上に当てはまる場合は、「原発性腋窩多汗症」の可能性があるとされています。(※最終的な診断は医師が行います。)

□ 最初に症状が出たのが25歳以下である

□ 左右対称に発汗が見られる

□ 睡眠中は発汗が止まっている

□ 週に1回以上、多汗の症状がある

□ 家族にも同じ症状の方がいる

□ 日常生活に支障をきたすほどのワキ汗がある

原発性腋窩多汗症の治療に使われる「エクロックゲル」とは?


脇汗の悩みを根本的に解決する治療薬として注目されているエクロックゲルについて、その特徴と効果を詳しくご紹介します。

日本初の外用多汗症治療薬

エクロックゲルは、2020年11月に承認された日本初の外用多汗症治療薬です。

これまで脇の多汗症治療は手術やボトックス注射の他、塩化アルミニウム液の塗布での治療が行われてきましたが、こちらは製剤がなく医療機関で調合して作成する必要がありどこでも治療できる訳ではありませんでした。エクロックゲルの登場により、塗り薬による治療が可能になりました。

多汗症で悩む多くの方にとって、新たな治療選択肢として期待されている薬剤です。

有効成分が「エクリン汗腺」に作用し、汗の分泌を抑制

有効成分のソフピロニウム臭化物が脇のエクリン汗腺に直接作用し、汗の分泌を促すアセチルコリンの働きを阻害します。

塗布した部位にのみ効果を発揮するため、全身への副作用リスクを抑えながら、局所的な発汗抑制効果が期待できます。

1日1回、脇に塗布するだけ

使用方法は1日1回、清潔にした脇の水気をタオルなどでよく拭き取り、薬液を脇全体に塗り広げます

この簡便な方法により、日常生活への負担を最小限に抑えながら治療を続けることができ、浸透した薬剤が発汗をコントロールします。

制汗剤と異なり、医師の診断に基づき処方薬される

エクロックゲルは市販の制汗剤とは異なる医療用医薬品です。医師の診断を受け、HDSSスコア3以上の重症例に対して処方されます。

制汗剤とは異なり、汗腺の機能そのものに作用する治療法として、医師の適切な指導のもとで安全に使用できます。

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「エクロックゲル」による治療は、ニオイの原因である「アポクリン腺」には効果がないため、ワキガ治療とは別物です。ただし、汗の量が減ることで細菌繁殖が抑えられ、間接的にニオイ改善につながることもあります。

ANS.ではオンラインでの診療・処方が可能

多汗症で悩んでいても、実際「何科に相談すればいいの?」「なんと言えば治療薬がもらえるの?」そうお悩みの方もいると思います。

オンラインクリニックのANS.(アンス)では、脇の多汗症に効果のある治療薬「エクロックゲル5%」の処方が可能です。

ANS.(アンス)とは?

ANS.(アンス)は、スマホ1台あれば、診察から処方提案、処方薬の配達までが完結する、オンラインクリニックのサービスです。予約不要で診察を受けられるので、隙間時間でも利用できます。

診察は、チャット形式で気軽に相談可能。自分のタイミングで落ち着いて相談ができます。

また、HADA相談室ではお薬の処方についてはもちろん、お肌の悩みについても相談可能。決済前に気がかりなこと、不安なことも何でも無料で質問できます

まとめ|「汗かき体質だから」とあきらめる前に

多汗症は単なる「汗っかき」ではなく、日常生活に深刻な影響を与える疾患です。

服選びの制限、人との距離感への悩み、仕事や学業への支障など、生活の質(QOL)を大きく低下させてしまいます。しかし、適切な治療により症状の改善が期待できる疾患でもあります。

「もしかして自分も多汗症かもしれない」と感じている方は、まずはHDSSを使ったセルフチェックから始めてみてください。自分の症状を客観的に把握することで、治療の必要性を判断する手がかりになります。

一人で悩まず、専門医に相談することで、快適な日常生活を取り戻す第一歩を踏み出しましょう。

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記事の監修者
竹村 昌敏
ANS.監修医 2008年高知医科大学医学部卒業。初期研修後都内の大学病院麻酔科入局。 その後、整形外科へ転科。2015年から医療×ITのスタートアップに参画し医療監修を務める。医療×IT分野の執筆多数。 医療×ITを美容医療に導入するべくANS.の立ち上げに参画。ANS.クリニック院長。

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