2008年高知医科大学医学部卒業。初期研修後都内の大学病院麻酔科入局。
その後、整形外科へ転科。2015年から医療×ITのスタートアップに参画し医療監修を務める。医療×IT分野の執筆多数。 医療×ITを美容医療に導入するべくANS.の立ち上げに参画。ANS.クリニック院長。
治療を始めて2週間程度経つと、最初の緊張が少しずつ解けてくるものです。「このままでいいのかな?」「もっと何か運動を始めたほうがいいのかも」と、焦りを感じる時期ではないでしょうか。
すると、つい「ジムに通わなきゃ」「毎日30分走らなければ」と大きな目標を立てたくなります。ですが、実は今の生活をほんの少し「見直す」だけでも軽やかな毎日につながっていきます。
オンラインクリニック「ANS.(アンス)」
なぜ「1日マイナス190kcal」なのか
「脂肪を1kg減らす」と聞くと、とても高い壁のように感じるかもしれません。
脂肪1kgをエネルギーに換算すると約7,200kcal。これを「1ヶ月で絶対に減らそう!」と決めると、少し予定が狂っただけで「もうダメだ…」と挫折しやすくなります。
そこで、1ヶ月(30日)に「予備日」として約1週間と1日をプラスした、38日間で考えてみましょう。
7,200kcalを38で割ると、
1日あたり「190kcal」という数字が見えてきます。
この場合、目標はシンプルで、この190kcal/日を減らすことです。
「たったそれだけでいいの?」と思われるかもしれませんが、「少しずつ」が大切なのです。一気に大きなマイナスを作ろうとすると、身体は危機を感じて守りに入ってしまいます。
毎日190kcalずつを、生活に溶け込ませるように削っていく。それだけで、少しずつ、でも確実に軽やかな毎日につながっていきます。
(あらかじめ余裕をもった設計にしておくこと。この「心の余白」こそが、治療を長く続けるための大切なコツなんです。甘いんじゃなくて、余裕をもって!ですよ。 )
「食事150」+「活動40」の組み合わせ
190kcalをすべて食事で調整したり、すべて運動で燃やしたりするのは、実はかなりハードな道のりです。
そこでおすすめしたいのが、食事で150kcal、活動で40kcalを消費するという「組み合わせ」の考え方です。
- 食事(マイナス150kcal)の目安
お菓子のパッケージを半分で閉じる、いつものカフェラテをブラックコーヒーに変える。これだけで、意外とクリアできる数字です。 - 活動(プラス40kcal)の目安
これが今回のポイント。
時間にすると「約10~15分の歩行」、歩数にすると「約1,000歩」です。
スタスタさんは10分、ゆっくり景色見ながらは15分。「1,000歩」と聞くと多く感じますが、家の中の移動や買い物中の歩数を合わせると、すぐに積み重なる数字ですよ。
「運動」という言葉に身構えてしまう方も多いですが、この40kcalは、特別なトレーニングではなく、日常の「隙間」で見つけることができます。
※各項目の数値は、公的な身体活動指標や食品成分表に基づいた一般的な目安です。
「NEAT」という心強い味方
実は、日常生活の中にこそ、脂肪を燃やすチャンスが隠れています。
それは「NEAT(非運動性熱産生)」という概念です。これは、スポーツなどの特別な運動ではなく、掃除、買い物、階段の上り下り、さらには「立っていること」といった、日常のあらゆる動きで消費されるエネルギーのこと。
実は、私たちの1日の消費エネルギーにおいて、このNEATが占める割合は、スポーツによる消費エネルギーよりもずっと大きいと言われています。
わざわざ着替えて外に出なくても、駅の階段を選んだり、家事の合間に少しだけ遠くのものを取ったりする。その「小さな選択」の積み重ねこそが、立派な脂肪燃焼のチャンスとなります。
あなたの生活なら、どこに「10分」を置きますか?
「プラス1,000歩」の「10分」をどこで作るか。正解は一つではありません。
iPhoneのヘルスケア機能などで今の歩数を確認してみると、「意外と歩けてるな」という気づきや「あと少しなら歩数を増やせそう」というポイントが見えてくるはずです。
例えば・・・
- いつもより一つ手前のバス停で降りてみる
- お昼ご飯のあと、会社の周りをぐるっと一周だけ歩いてみる
- 夕食の準備をしながら、つま先立ちを数回してみる
無理に時間をひねり出すのではなく、今の生活のどこに「10分」を置くのが一番心地よいか、実験するような気持ちで選んでみてくださいね。
まとめ
2週目は、今の自分に「ちょうどいいライン」を探る時期。1日190kcalの積み重ねは、派手さはないけれど、あなたの身体を確実に変えていく力を持っています。
「完璧にできなくても、1,000歩増えたら大成功」
そのくらいの余裕を持って、明日も自分のペースで進んでいきましょう。
※各項目の数値は、公的な身体活動指標や食品成分表に基づいた一般的な目安です。
<算出の根拠について> 本記事で紹介している消費エネルギー量および摂取カロリーの目安は、以下の資料を参考に算出しています。
厚生労働省「e-ヘルスネット」
国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』(2011年)」
文部科学省「日本食品標準成分表」 ※数値は体重60kgの方をモデルとした概算であり、年齢・性別・体質等により個人差があります。
