結論、ニキビ治療を続けていてもいっこうに良くならない場合、顔ダニが原因の肌荒れかもしれません。

顔ダニ（ニキビダニや毛包虫とも呼ばれます）は、常在菌で皮脂量の調整に必要な菌ですが、増えすぎると肌トラブルを引き起こします。

この記事では、顔ダニについて、症状やニキビとの見分け方を解説します。肌荒れがずっと良くならないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

顔ダニとは？顔ダニがいない人はいない

顔ダニは、人の顔に自然に存在する微小な生物（ダニ）です。生後、主に大人の顔から接触によって移動し、生後間もなく人の顔に定着します。

そのため顔ダニは全ての人の顔に存在し、顔ダニ0で生涯を終えることは不可能です。

顔ダニは皮脂をエサとしており、顔の皮脂量を調整する役割を果たしています。通常は無害ですが、過度に増殖するとアレルギーやブツブツなど、肌トラブルを引き起こす可能性があります。

顔ダニの存在は正常ですが、数のバランスが重要で、過剰な増殖は避けるべきです。

顔ダニの原因

顔ダニが増殖する主な原因4つは、以下のとおりです。

• 顔に残る油分
• 油分過多の食事
• ホルモンバランスの乱れ
• 長期間にわたるステロイド外用薬の使用

顔に残る油分

メイク落としが不十分な場合、ファンデーションやコンシーラーの残留物が顔ダニの繁殖を促進します。

化粧品の残留物は、顔ダニにとって理想的な環境を作り出します。

洗顔後に化粧水を含ませたコットンで顔を拭き取り、色味が残っている場合は、化粧が完全に落ちていない証拠です。

念入りなクレンジングと洗顔で、汚れを落としきるようにしましょう。

油分過多の食事

脂っこい食事や糖分の多い間食の過剰摂取は、体内の皮脂分泌を増加させ、結果として顔ダニの増殖を促進します。

さらに、ビタミン不足も、肌トラブルの原因です。脂質の分解にはビタミンB群が消費されるため、健康な肌の維持には十分な量のビタミンB群を摂取する必要があります。

顔ダニの増殖を抑制するには、バランスの取れた食事で、肌に必要な栄養を十分に摂取することが必要です。

ホルモンバランスの乱れ

ストレスなどの要因でホルモンバランスが崩れると、男性ホルモンが優位になり、皮脂分泌が増加します。過剰な皮脂は顔ダニの栄養源となり、顔ダニの増殖を助長します。

ストレス管理や規則正しい生活習慣の維持が、ホルモンバランスの安定と顔ダニの抑制に効果的です。定期的な運動や十分な睡眠も、ホルモンバランスの改善に役立つでしょう。

長期間にわたるステロイド外用薬の使用

ステロイド外用薬の長期使用は、皮膚の免疫力を低下させ、顔ダニが増殖しやすい環境を作り出します。

ステロイド外用薬はは湿疹などの炎症を抑える薬として使用されます。炎症は免疫の過剰反応が原因であるため、これを抑えるステロイド外用薬は免疫抑制作用があるといえます。

免疫抑制状態が続くと、顔ダニが増殖しやすい環境を作ることにつながります。

顔ダニの症状

顔ダニの増殖に伴う症状は多岐にわたり、特定の症状に限らず、肌の不調全般を引き起こします。

主な症状は、以下のとおりです。

• ニキビのようなブツブツ
• かゆみ
• 赤み
• 乾燥

ニキビのようなブツブツ

顔ダニの死骸や排泄物が毛穴を塞ぎ、老廃物が詰まることで炎症が起き、ニキビに似たブツブツが発生します。

顔ダニによるブツブツはニキビの症状と非常に似ているため、区別が難しいです。しかし、顔ダニによるブツブツは通常のニキビ治療（アクネ菌への対処）では改善が難しいです。

かゆみ

顔ダニが増殖すると、強いかゆみを感じることがあります。かゆみは主に夜行性の顔ダニが夜間に活動し、朝には死骸や排泄物が顔に付着することが原因です。

顔ダニの死骸や排せつ物が皮膚に炎症を引き起こし、かゆみを生じさせます。

赤み

顔ダニが皮脂腺に付着すると、皮膚に炎症が起こり、毛細血管が拡張して顔が赤くなります。

赤みは特に頬や鼻周りに現れやすく、時には顔全体に広がることもあります。赤みは単なる肌の炎症反応だけでなく、顔ダニの活動による物理的な刺激も原因です。

このような赤みは医学的には「酒さ」と呼ばれることがあります。

乾燥

顔ダニは皮脂をエサとするため、過度に増殖すると水分を保つのに必要な皮脂まで消費してしまい、結果として顔が乾燥します。

肌の乾燥は肌のバリア機能を低下させ、さらなる肌トラブルの原因となり、ニキビや肌荒れを引き起こします。

顔ダニとアクネ菌ニキビを見分ける方法

顔ダニとアクネ菌によるニキビは症状が似ているため、区別が難しいです。以下に見分ける方法を詳しく説明します。

• 患部がかゆい
• ニキビ治療薬で何カ月も改善しない

患部がかゆい

顔ダニが原因で起きる症状の一つに「毛包虫性ざ瘡（もうほうちゅうせいざそう）」があり、症状の見た目はニキビと似ています。

しかし、通常のニキビとは異なり、強いかゆみを伴うことが特徴です。かゆみは、顔ダニの活動や死骸による刺激が原因です。

一方、通常のアクネ菌によるニキビは、かゆみよりも膿による痛みや違和感を感じることが多いです。したがって、ニキビのような症状と強いかゆみが同時に現れる場合は、顔ダニの可能性を考慮する必要があります。

ニキビ治療薬で何カ月も改善しない

皮膚科や美容皮膚科で処方されたニキビ薬を使用して、数カ月経っても症状が改善しない場合は、顔ダニが原因かもしれません。

通常のニキビ治療薬は、アクネ菌を抑制し、皮脂の分泌を調整する効果がありますが、顔ダニに対しての効果は限定的です。

そのため、適切なニキビ治療を続けても改善が見られない場合は、顔ダニの検査を受けることがおすすめです。

顔ダニの判断にはニキビ治療に詳しい皮膚科の受診がおすすめ

顔ダニは症状がニキビと酷似しており、肉眼で自力で判断することは非常に困難です。専門的な診断を受けましょう。

ニキビ治療に詳しい皮膚科を受診し、顕微鏡検査を受けることがおすすめです。顕微鏡検査では、皮膚の表面や毛包から採取したサンプルを高倍率で観察し、顔ダニの過剰増殖を確認します。

早期の受診と正確な診断が、効果的な治療につながります。

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ANS.の治療薬を使ってニキビ治療をした症例紹介

※こちらのニキビ治療の症例は、顔ダニ治療を伴うものではありません。

まとめ　顔ダニとアクネ菌のニキビは混同しやすい！皮膚科を受診しよう

顔ダニとアクネ菌によるニキビは、目に見える症状が似ているため、素人判断での区別は困難です。しかし顔ダニとニキビの適切な治療法は異なるため、正確な診断が必要です。

持続的なかゆみや、通常のニキビ治療で改善しない症状がある場合は、顔ダニの可能性を考慮し、専門医の診断を受けることがおすすめです。

忙しくて皮膚科に通う時間がない方は、オンライン診療で相談してみてください。美肌治療のオンライン診療なら「ANS.（アンス）」がおすすめです。

早期の適切な診断と治療が、健康的な肌を取り戻すカギです。お気軽にご相談ください。