2008年高知医科大学医学部卒業。初期研修後都内の大学病院麻酔科入局。
その後、整形外科へ転科。2015年から医療×ITのスタートアップに参画し医療監修を務める。医療×IT分野の執筆多数。 医療×ITを美容医療に導入するべくANS.の立ち上げに参画。ANS.クリニック院長。
- おでこニキビがなかなか治らない
- 治ったと思ったら新しいニキビがすぐできる
- おでこのニキビは何が原因?
この記事を読んでいるあなたは今、上記のように考えているかもしれません。
結論を先にお伝えすると、おでこのニキビは皮脂分泌が盛んなおでこにシャンプーや化粧品の残留や髪の毛の雑菌が付着してできるのです。
以下では、おでこのニキビの原因と治し方を詳しく解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
思春期にできるおでこニキビの主な原因
思春期にできるニキビは、皮脂の分泌過剰が原因の一つです。
男女問わず男性ホルモン(アンドロゲン)の分泌が活発になって、皮脂腺が刺激されて皮脂が過剰に分泌されることでニキビが成長します。
Tゾーンと言われるおでこから鼻にかけてのラインは、特に皮脂分泌が活発な部位です。
そのため、思春期はおでこにニキビが目立つ人が多いです。
大人になってできるおでこニキビの主な原因
次に、大人になってできるおでこニキビについてその原因を詳しく解説します。
- ホルモンバランスの乱れ
- 前髪の刺激やシャンプー・整髪料
- 肌の乾燥
ホルモンバランスの乱れ
ストレスや睡眠不足でホルモンバランスが乱れると、おでこニキビの原因となります。
過剰なストレスによってストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が増加します。
皮脂分泌が促進されることで、おでこにニキビができやすくなるのです。
前髪の刺激やシャンプー・整髪料
前髪に付着しているホコリや菌がおでこに触れて炎症を起こすことも、おでこニキビの原因となります。
また、シャンプーのすすぎ残しや整髪料が毛穴に詰まると余分な皮脂が排出されにくくなるのも原因です。
すると、肌に残った汚れがアクネ菌のエサとなり、ニキビの成長を助長します。
肌の乾燥
肌が乾燥していると、水分不足を補おうとして皮脂を過剰に分泌します。
過剰な皮脂が毛穴に溜まり、詰まった毛穴はアクネ菌の繁殖を促進し、炎症を引き起こしてニキビになるのです。
また、乾燥した環境では肌のターンオーバーが乱れやすくなり、古い角質が十分に排出されず、毛穴が詰まります。
古い角質が残ることで毛穴が詰まり、皮脂の排出が阻害されることが、ニキビが発生する要因です。
おでこニキビの治し方
ここからは、おでこニキビの治し方を詳しく解説します。
- 皮膚科を受診する
- クレンジングや洗顔を丁寧に
- 刺激や摩擦を避ける
- 保湿する
- 日中こまめに皮脂を取り除くケアを行う
- 前髪をなるべく下ろさない(額に触れさせない)
皮膚科を受診する
まずは皮膚科を受診するのが、ニキビ治癒の近道です。
皮膚科は、ニキビの種類や程度に合わせた治療法を提案してくれるので、自分のニキビに合った薬で効率よく治療できます。
処方薬は薬効が認められているので、効果も期待できるでしょう。
皮膚科に行く時間がないという方も、オンライン診療がおすすめです。
オンライン診療なら、自宅にいながら皮膚科の診療と処方薬の受け取りができます。ぜひ利用してみてください。
クレンジングや洗顔を丁寧に
自分でできるケアとして、肌を清潔に保つことが第一に挙げられます。
毛穴に汚れが残っていると毛穴が詰まって皮脂の排出が滞り、ニキビができやすくなります。
クレンジングや洗顔は使用量が足りないと汚れがおちにくくなり、量が多いとすすぎ残しの原因となるので、適量が大切です。
ニキビに悩む方は、朝も水だけで洗わず洗顔料を使って洗顔しましょう。寝ている間にも皮脂は分泌されています。
また、寝具の雑菌も顔に付着しているので、朝の洗顔は大切なケアステップです。
刺激や摩擦を避ける
日常生活において摩擦や刺激を避けることも大切です。
肌への摩擦や刺激はバリア機能を低下させます。バリア機能が弱まるとニキビが成長する原因となります。
皮脂が気になっても、油取り紙などで肌をこすりすぎないよう注意しましょう。
保湿する
ニキビケアには保湿も大切です。
油分やべたつきが気になるからといって、保湿をしないのは逆効果です。油分が気になっても保湿は怠らないようにしましょう。
肌が乾燥すると肌を潤そうと皮脂分泌が過剰になり、余計にニキビができやすくなるためです。
化粧水だけだと、肌の水分が蒸発して乾燥するので化粧水の後は乳液やクリームで蓋をします。
油分が気になる場合は、軽いテクスチャーの乳液やジェルを取り入れるのがおすすめです。
油とり紙は使わない
皮脂が気になるときは皮脂を抑えることが大切。しかし、油とり紙でこすりすぎるのはNGです。
油とり紙は、必要な皮脂を取りすぎてしまうことがあります。
油とり紙の代わりに、ティッシュで抑えるようにして皮脂を取り除きましょう。
皮脂を抑えるパウダーをはたいておくのもおすすめです。
おでこを出すヘアスタイル
毛先がおでこにつかないヘアスタイルも大切なポイントです。
前髪やおくれ毛をおろさずアップヘアにします。前髪をおろしたい場合は、帰宅後や寝る時だけでも前髪を上げておでこをスッキリさせておくのがおすすめです。
髪はしっかり洗って清潔にしておくことも大切。皮脂が出ている頭皮は雑菌が繁殖していて、それが肌に触れるとニキビの原因となってしまいます。
シャンプーの頻度は人それぞれですが、ニキビや皮脂が気になる人は毎日シャンプーしましょう。
おでこニキビの市販薬
市販薬ならドラッグストアですぐ入手できてニキビができたらすぐ使えます。自宅に常備しておくのもおすすめです。
- イハダ アクネキュアクリーム
- オロナインH軟膏50gチューブ
- メンソレータムアクネス25メディカルクリームc
イハダ アクネキュアクリーム
画像:資生堂
効果 | ニキビ、吹き出物 |
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副作用 | 発疹・発赤,かゆみ,刺激感(ヒリヒリ感),はれ(腫脹),乾燥化(つっぱり感) |
イハダ アクネキュアクリームは、イブプロフェンピコノールとイソプロピルメチルフェノールを主成分としたニキビ治療薬です。
イブプロフェンピコノールは、ニキビの炎症を鎮める効果があります。イソプロピルメチルフェノールはアクネ菌を殺菌する効果があり、2つの成分でニキビを予防・鎮静します。
敏感肌にも使える肌に優しい処方で大人のニキビケアをサポートします。
オロナインH軟膏50gチューブ
画像:大塚製薬
効果 | 切り傷・すり傷の殺菌・消毒、しもやけ、あかぎれ、にきび、吹出物、はたけ、やけど(軽いもの)など |
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副作用 | 発疹・発赤、かゆみ、はれ・乾燥、ひびわれなど |
オロナインH軟膏に配合されているクロルヘキシジングルコン酸塩はアクネ菌に対する殺菌作用があります。ニキビやおできのケアとして用いられています。
アクネ菌の殺菌作用があるので、ニキビができてすぐの炎症が起きる前に使うのが有効です。
皮膚への刺激が少なく、嫌な臭いがないため使いやすい塗り薬です。
メンソレータムアクネス25メディカルクリームc
画像:ロート製薬
効果 | ニキビ・吹き出物 |
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副作用 | 発疹 ・ 発赤 、かゆみ、刺激感(ヒリヒリ感)、はれ、乾燥化(つっぱり感) |
メンソレータムアクネス25メディカルクリームcは何度も繰り返すしつこい大人のニキビのための塗り薬です。
抗炎症成分の「イブプロフェンピコノール」が炎症を鎮め、赤く目立つニキビにしっかり効きます。
殺菌成分の「イソプロピルメチルフェノール」はアクネ菌の巣を破壊し殺菌します。
おでこニキビの処方薬
ここからは、おでこニキビに対して利用される処方薬について紹介します。
- ユベラ(内服薬)
- ハイチオール(内服薬)
- ビフロキシン(内服薬)
- アゼライン酸(外用薬)
- アダパレン(外用薬)
- ベピオ(外用薬)
- エピデュオ(外用薬)
- アクアチムクリーム(外用薬)
薬名 | タイプ | 効果 | 副作用 |
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ユベラ | 内服薬 | 血行促進によるシミ・肝斑・ニキビ跡の改善 抗酸化作用によるシワ・たるみ・シミの改善 | 便秘、胃部不快感、下痢、発疹など |
ハイチオール | 内服薬 | シミ・そばかすの改善 肌荒れの改善 疲労改善 アレルギーの改善 二日酔いの改善 |
悪心や下痢、口渇、軽度の腹痛など |
ビフロキシン | 内服薬 | ビタミンB2、B6欠乏または代謝障害が関与すると思われる湿疹、皮膚炎群、口唇炎・口角炎・口内炎などの治療 | 手足のしびれ、知覚異常など |
アゼライン酸 | 外用薬 | 毛穴詰まりの改善 ニキビの原因となる毛穴の詰まりを解消 |
皮膚の赤み、熱感、ピリピリとした痛み、乾燥、かゆみなど |
アダパレン | 外用薬 | 皮膚のターンオーバーを促進 皮膚の角化調節による毛穴詰まりの改善 |
赤み、ヒリヒリ感、皮むけ、乾燥など |
ベピオ | 外用薬 | ニキビの原因菌の増殖を予防 ピーリング作用による毛穴のつまり除去 | 表皮のはがれ、肌の赤み、刺激感、乾燥など |
エピデュオ | 外用薬 | ニキビを引き起こすブドウ球菌・アクネ菌の活動を抑える 詰まった角質を薄く剥がして毛穴のつまりを除去 | 赤み、ヒリヒリ感、皮むけ、乾燥などの刺激症状 |
ユベラ(内服薬)
ユベラは、トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)を主成分とし、肌の健康を促進する効果があります。
トコフェロール酢酸エステルは皮膚の新陳代謝を促進し、古くなった角質を効率的に取り除くことで、ニキビの治癒を促進するのが特徴です。
血行促進効果により、肌のターンオーバーが促されて余分な皮脂や老廃物の排泄を促進する効果も期待できます。
ハイチオール(内服薬)
ハイチオールは、L-システインを主成分とした内服薬です。
L-システインはメラニン抑制・ターンオーバー促進・抗酸化作用があり、この3つの作用がニキビの治癒を促進し、ニキビの悪化を防ぎます。
また、ターンオーバー促進作用により、毛穴のつまりを改善してニキビのできにくい肌を作ります。
ビフロキシン(内服薬)
ビフロキシンの主成分は、ビタミンB2とビタミンB6です。
ビタミンB2は糖質やタンパク質、脂質の代謝を促進する働きがあり、皮脂の増加を抑制します。
ビタミンB6の作用は、皮膚の細胞分裂と新陳代謝をサポートし、タンパク質の分解や再合成を促して健康な肌を作ることです。
アゼライン酸(外用薬)
アゼライン酸は、毛穴のつまりを解消し、皮脂分泌を抑制してアクネ菌を殺菌するなどの効果により、赤ニキビや白ニキビの改善が期待できます。
さらに、抗炎症作用によってニキビの悪化を予防し、メラニン生成を抑制してニキビ跡の色素沈着を防ぐ効果も期待できます。
アダパレン(外用薬)
アダパレンの作用は、皮膚の角化を調整し、ターンオーバーを調整する作用です。
毛穴のつまりを改善してニキビの芯の成長を予防します。角質のつまりを改善するため、白ニキビや黒ニキビに有効です。
ターンオーバーの抑制により、毛穴の黒いぽつぽつの改善も期待できます。
ベピオ(外用薬)
ベピオの主成分は過酸化ベンゾイルで、アクネ菌の増殖を抑える効果が期待できる処方薬です。
ピーリング作用があるため、毛穴のつまりを改善し、ニキビの芯ができるのを防ぎます。
白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビに対して有効です。
エピデュオ(外用薬)
エピデュオの主成分は「アダパレン」と「過酸化ベンゾイル」です。
アクネ菌などニキビの原因菌を殺菌する殺菌作用で、ニキビの改善を促します。
皮膚表面の古い角質を取り除くピーリング作用により、ニキビの芯の発生を防ぎます。
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何度も繰り返しできるしつこいおでこニキビは、1日2回以上の洗顔と髪型の工夫でおでこを清潔に保つことが必要です。なかなか治らないおでこニキビには、皮膚科の処方薬が有効です。
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