2008年高知医科大学医学部卒業。初期研修後都内の大学病院麻酔科入局。
その後、整形外科へ転科。2015年から医療×ITのスタートアップに参画し医療監修を務める。医療×IT分野の執筆多数。 医療×ITを美容医療に導入するべくANS.の立ち上げに参画。ANS.クリニック院長。
- 30代になるとシミだらけになる?
- なぜ30代になるとシミが増える?
- シミの治療方法を知りたい
この記事を読むあなたは、そう悩んでいるかもしれません。
結論を先にお伝えすると、30代のシミは20代より代謝が遅くなることで急激に増えるのです。
そこでこの記事では、30代のシミの原因について詳しく解説します。
シミのケア方法や治療法も紹介しているので、シミに悩んでいる方はぜひ最後までご覧ください。
30代でシミができる原因
30代でシミができる原因は主に下記の3つです。
- 紫外線
- 肌機能の低下
- ストレスやホルモンバランス
それぞれ解説します。
紫外線
30代でシミができる主な原因は、過去の紫外線ダメージの蓄積です。
紫外線を浴びると、肌のメラノサイトに信号が送られ、メラノサイトが活性化されます。すると、メラニンが増加し、排出されずに肌に蓄積することが、シミができるメカニズムです。
30代は20代に比べ新陳代謝が低下するので、ターンオーバーが遅くなる傾向にあります。そのため、メラニンの排出が難しくなり、シミとして残りやすくなるのです。
活性酸素の影響
30代では、抗酸化力が弱まり始めるため、活性酸素が原因でシミができやすくなります。
抗酸化力が低下すると、活性酸素が活発になります。
活性酸素が活発になると皮膚に炎症を引き起こします。次にメラノサイトが刺激されてメラニン色素が過剰に生成され、最終的にシミが形成されるという仕組みです。
メラニン色素の生成量は活性酸素が存在する状態では、活性酸素がない場合よりも1.3倍も増加することが調査結果から示されています。
紫外線や喫煙、ストレスなどの悪習慣の積み重ねも活性酸素の増加を引き起こして、メラニン色素の生成を過剰に促進します。そのため、シミの原因となります。
参照:健康長寿ネット
ストレスやホルモンバランス
30代におけるシミの原因の一つは、ストレスです。
ストレスの増加も、活性酸素の生成が促進される原因です。
持続的なストレスは交感神経を刺激し、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌増加を引き起こし、ホルモンバランスを乱します。
ホルモンバランスが乱れると、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌が抑制されて過剰な皮脂分泌や肌のコンディションの低下を招きます。
さらに、ホルモンバランスが乱れるとメラノサイトと呼ばれる色素細胞が活性化され、シミが増えやすくるのです。
特に女性ホルモンの変動が大きい出産や更年期などの期間に、シミができやすくなります。
30代のシミ予防
30代でシミに悩まないために、自分でできるケア方法を詳しく説明します。
- スキンケア
- 紫外線対策
毎日の積み重ねが大切なので、ぜひ取り入れてみてください。
スキンケア
摩擦は色素沈着の原因となりますので、こすらない洗顔やスキンケアを心がけましょう。優しく肌に刺激を与えないように注意します。
美白成分が配合されたスキンケアアイテムを使用することで、シミの発生を抑える助けになります。ビタミンCやトラネキサム酸などが一般的な美白成分です。
保湿は角質の硬化を予防し、ターンオーバーの正常化をサポートします。丁寧な保湿を心がけ、健康な肌を保ちましょう。
スキンケアにおすすめの成分は、以下のとおりです。
保湿に良いスキンケア成分
成分 | 効果・特徴 |
---|---|
ヒアルロン酸 | 強力な保湿力で水分を保持し、ハリや弾力を与える |
グリセリン | 水分を保持し、肌の乾燥を防ぐ |
セラミド | 皮膚のバリア機能を強化し、水分蒸発を防ぐ |
アロエベラエキス | 肌をクールダウンし、保湿効果がある |
美白に良いスキンケア成分
成分 | 効果・特徴 |
---|---|
ビタミンC誘導体 | メラニン生成を抑制し、シミやくすみを防ぐ |
アルブチン | メラニンの生成を阻害し、美白効果がある |
ニアシンアミド | 肌の血行を促進し、くすみを防ぎ、美白効果がある |
フェルラ酸 | メラニンの生成を抑制し、シミを防ぐ |
スキンケアアイテムを選ぶ際には、成分にも注目してみてください。
紫外線対策
紫外線対策を怠らず、1年中日焼け止めを使用しましょう。普段使いにはSPAやPAの数値にこだわりすぎず、毎日使っても肌が荒れない日焼け止めを選ぶのがおすすめです。
SPFは、紫外線B波(UVB)から肌を守る効果を示す指数です。「UVB」は肌の浅い所に届き、日焼けなどの肌ダメージを引き起こします。
PAは、紫外線A波(UVA)から肌を守る効果を示す指数です。「UVA」は肌の奥深くまで浸透し、日焼けだけでなく、シワやシミの原因となります。
屋内や曇りの日でも紫外線は存在します。そのため、天気にかかわらず常に紫外線対策を心がけることが大切です。
外出中やメイク中は日焼け止めが取れやすくなるので、こまめに塗り直すことが重要です。特に休み時間や汗をかいた後は塗りなおすタイミングです。
また、帽子や日傘を取り入れて直射日光を浴びることを防ぐことも重要です。積極的に活用しましょう。
30代のできてしまったシミに効くケア方法
すでにあるシミに有効なケアを解説します。
- スキンケアを改善する
- 処方薬を使う
それぞれ気を付けるポイントは以下のとおりです。
スキンケアを改善する
シミが気になり始めたら、スキンケアを見直してみましょう。
まずは、美白に有効な成分が含まれたスキンケアアイテムを投入するのがおすすめです。
ビタミンC誘導体やアルファアルブチンを含む美白製品は、肌のターンオーバーを促進し、メラニンの生成を抑制する作用があります。
また、保湿力の高いアイテムにも注目しましょう。
乾燥した肌はシミを目立たせたり、シミができやすい肌を作ったりするので、保湿は欠かさず行いましょう。
ビタミンCを含む商品は、アイテムによっては乾燥を感じることもあります。
そのため、ビタミンCを塗布する際は保湿クリームと併用するのがおすすめです。
強い洗顔料やこすりすぎは、肌を傷つけてシミの原因になる場合があります。穏やかな成分の洗顔料を選び、優しく洗顔することで肌を守りましょう。
処方薬を使う
クリニックで処方される薬は、その有効性や安全性が検証されていることが特徴です。医師が患者の状態を考慮して適切な薬を処方するため、効果的な治療が期待できます。
また、クリニックの処方薬なら、万が一副作用が出た場合も医師の診療を受けてすぐに対応が可能です。
オンライン診療を取り入れているクリニックなら、自宅から出なくても診察と薬の受け取りができるので便利ですよ。
30代のシミにおすすめのスキンケアアイテム
シミに有効な成分が配合された、市販のスキンケアアイテムを紹介します。
- SK-II ジェノプティクス オーラ エッセンス|P&Gプレステージ
- SHISEIDOブライトニング ジェル クリーム|資生堂
- イーブン ベター ラディカル ブライト セラム|クリニーク
- アスタリフトホワイト ブライトローション|フジフィルム
- メラノCC ディープデイケアUV乳液|ロート製薬
SK-II ジェノプティクス オーラ エッセンス|P&Gプレステージ
画像:SK-II
SK-II は、30代から取り入れたいスペシャルなスキンケアラインです。
乾燥によるシミやくすみの生成を防ぎ、肌に潤いと明るさをもたらす美容液です。
SK-II に配合される有効成分は、以下のとおりです。
- 濃縮SK-IIピテラ™
- D-メラノ™
- サクラエキス
これらの有効成分を組み合わせた複合美白成分が肌曇りを防ぎ、肌のトーンアップを図ります。
口コミでも好評のアイテムですが、成分が肌に合わないこともあるのでまずはトライアルで試してみるのがおすすめです。
SHISEIDOブライトニング ジェル クリーム|資生堂
画像:資生堂
スキンケアからメイクまでトータルで揃えられるSHISEIDOシリーズの美白用クリームです。
配合されている4MSKは資生堂独自の美白有効成分です。
軽いテクスチャーながらもしっかりと潤う点が口コミで高評価を得ています。
つけた翌日も潤いが続く贅沢なクリームです。
イーブン ベター ラディカル ブライト セラム|クリニーク
画像:クリニーク
ブライトニング効果が高いとされる「キキョウランエキス」から着想を得たブライトニング成分*「UP302」を配合したクリーム。(*ブライトニングとは、肌を整え明るい透明感のある美肌にすること)
さらに、玉露エキスや酵母から成る「白玉美肌スキンケア コンプレックス(保湿整肌成分)」も配合。(*白玉美肌とは、白玉のように明るく、キメの整った均一で美しい肌のこと)
これらの成分が、肌のくすみや濁りにアプローチし、明るい肌をめざします。
すっとなじみ、浸透が早くさらっとしてべたつかないテクスチャーのベストセラー美容液です。
アスタリフトホワイト ブライトローション|フジフィルム
画像:富士フィルム
美白成分のアルブチンとビタミンC誘導体が配合された美白用化粧水です。
メラニンの蓄積を防ぎ、「シミの骨(シミ予備軍)」の形成を抑制し、透明感あふれる肌を実現します。
さらに、富士フイルムの技術力が結集した「ナノAMA+」を配合。通常のAMAをなんと0.000020mmまでナノ化し、浸透力を高めています。
美白効果だけでなく、「フェルラ酸」や「ヒアルロン酸Na」などの保湿成分も含まれ、美白*と乾燥ケアが同時にできるのが特徴です。(*美白とは、メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐことを示します。)
メラノCC ディープデイケアUV乳液|ロート製薬
画像:ロート製薬
持続型ビタミンC誘導体を含む合計2種のビタミンC誘導体(うるおい成分)を配合した朝用のUV乳液です。
日中の紫外線によるしみ予防のサポートとともにパウダー効果も実現します。
皮脂吸着パウダーの配合で、 テカリや毛穴を目立たちにくくするため化粧下地としても使用できるのが特徴です。
30代のシミに効果的な処方薬<
シミに有効な処方薬は、以下のとおりです。
- トラネキサム酸(内服薬)
- ハイチオール(内服薬)
- ユベラ(内服薬)
- ビタミンC(内服薬)
- ハイドロキノン(外用薬)
- トレチノイン(外用薬)
トラネキサム酸(内服薬)
効果 | シミや肝斑の改善による美白効果 のどの痛みや口内炎など炎症を抑える効果 生理や怪我による出血を止血する効果 |
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副作用 | 食欲不振、悪心、嘔吐、胸やけ、眠気、そう痒感、発疹など |
トラネキサム酸は、肝斑への効果が期待できる内服薬です。そばかすや老人性色素斑、炎症後色素沈着などのシミにも予防効果を発揮します。
「抗炎症作用」と「メラニンの生成を抑制する作用」で、今あるシミの改善と新しいシミの予防を両立できます。
トラネキサム酸は、肝斑をはじめとするシミ治療以外にも、外科手術の出血対策や耳鼻科での喉の炎症治療、歯科での抜歯後の出血予防など、広く使われている処方薬です。
ハイチオール(内服薬)
効果 | シミ・そばかすの改善 肌荒れの改善 疲労改善 アレルギーの改善 二日酔いの改善 |
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副作用 | 悪心や下痢、口渇、軽度の腹痛など |
ハイチオールは、L-システインを主成分とする医薬品でシミの改善に用いられる処方薬です。
「肌のターンオーバー促進」と「代謝促進」作用で、肌のターンオーバーを促し、メラニンの排出をサポートします。
「抗酸化作用」で活性酸素の生成を抑制し、肌の酸化を防いで老化やシミなどへの影響を軽減します。
ユベラ(内服薬)
効果 | 血行促進によるシミ・肝斑・ニキビ跡の改善 抗酸化作用によるシワ・たるみ・シミの改善 |
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副作用 | 便秘、胃部不快感、下痢、発疹など |
ユベラは、ビタミンE誘導体であるトコフェロールニコチン酸エステルを主成分とした医薬品です。
ユベラには血液の循環をよくする作用があり、肌の新陳代謝(ターンオーバー)を正常化させ、シミやそばかすを改善する効果があります。
老人性色素斑やそばかすのほかにも、肝斑などの治療において処方されることが多いです。
血液の循環を促す作用があるので、末端冷え性や動脈硬化の予防としても効果が期待できます。
ビタミンC(内服薬)
効果 | メラニン色素形成の抑制、皮膚の色素沈着(シミなど)の改善 |
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副作用 | 下痢・胃部不快感・悪心・嘔吐など |
ビタミンCは強力な抗酸化作用を持っています。体内の活性酸素やフリーラジカルなどの酸化ストレスから細胞を保護する肌の健康に欠かせない栄養素です。
またコラーゲンの合成を促進するので、肌のハリや弾力性が向上します。
メラニンの生成を抑制する作用もあるので、シミやくすみを軽減する美白効果が期待できます。
ハイドロキノン(外用薬)
効果 | シミの改善 |
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副作用 | 肌の赤みや炎症、白斑 |
ハイドロキノンは市販でも入手できるシミ用の医薬品ですが、市販品のハイドロキノンは厚生労働省により濃度が2%に制限されています。
しかし、医療機関では高濃度のハイドロキノンを使用できるため、シミを改善したい方は皮膚科でもらう処方薬がおすすめです。
さらに、ハイドロキノンは劣化しやすい性質があるため、1ヶ月分ごとに封入された皮膚科の処方薬だとより安全に使用できます。
トレチノイン(外用薬)
効果 | ニキビやニキビ跡、シミ治療、しわなどの改善 |
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副作用 | レチノイド皮膚炎(発赤、紅斑、痒みなど) |
トレチノインはビタミンA(レチノール)の誘導体で、主に「皮膚のターンオーバーを早める薬」として知られています。
レチノールは市販の保湿クリームや化粧水にも含まれている成分です。しかし、医療機関で処方されるものとは異なり、保湿効果が主であり治療効果が期待できるほどの濃度ではありません。
皮膚科で処方されるトレチノインは強力なので、医師の観察のもと使用することが推奨されます。
まとめ 皮膚科に通わず目元の色素沈着をケアするならオンライン診療のANS.
顔にシミがあると、年齢より上に見られたり肌がくすんで見える原因となります。シミが気になったら、皮膚科の処方薬がおすすめです。
美容皮膚科のマシン治療に抵抗がある方でも、処方薬なら不安なく取り入れられるでしょう。
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